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NARUTO日向ネジ短篇
【その先へ】
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は、憂えた表情のナルトからふと視線を逸らした。

「ヒナタ! 白眼で視て、ボルトは───」

「少なくとも私の眼で視る限り、本物のボルトよ。でも...、あなたが感じている“違和感”は、私にも分かる」

 白眼で息子を注視しながら、少し離れていた距離からヒマワリを伴いこちらへやって来るヒナタ。

「お兄ちゃん、なのに……お兄ちゃんじゃ、ないの?」

 妹のヒマワリは心配そうにこちらを見ている。


「お前……、正直に話してくんねぇか。それともやっぱ、言えねーか? うちの息子に、得体の知れない術でも使って取り憑いてるってんなら────」

「正直に言って、信じてくれるとでも? おれの今の中身が……、おまえの息子ではなく、ここでは死んでいるとされる“日向ネジ”だと言ったら・・・───」

 声は確かに息子のものだが、表情は冷たいながらも憂えているのを目にしたナルトは、懐かしい面影を見いだした。

「ネジ……? ネジが、ボルトに取り憑いてるってのかッ?」

「取り憑いている……つもりはないんだが、何故かこうなってしまっている」


「───ネジぃ! よく帰って来てくれたなッ!! けどどうせならお前の姿で出て来いってばよ、わざわざボルトに取り憑かなくても……あぁそうか、お前ユーレイなわけだし、しょうがねぇのか!?」

 突如ナルトは息子姿のネジをぎゅうっと抱き締めた。

「はっ、離せナルト、くるし...っ!」

「あなた、落ち着いて。ボルトが……ネジ兄さんが、苦しがっているでしょう?」

 ナルトをそっと窘めるヒナタ。

「あ、悪ぃネジ、力加減間違えたってばよッ」


「……本当に、“俺”が取り憑いているとでも? 何故、そう信じられる」

 ボルトの中のネジが訝しげに問う。

「だってよ、ボルトの口癖が全然出てこねーし、ボルトは最近オレの事もっぱらオヤジって……まぁ、クソ親父とも呼ばれっけど。前は父ちゃんって呼んでくれてたからなぁ、お前に今朝から“父さん”って呼ばれんの、おかしいとは思ってたんだってばよ」

「...口癖というのは、やはりおまえと同じか?」

「いや、似てっけどちょい違う。───てばさ、っつうんだよ」

「あぁ...、なるほどな」

 顎に片手を当て、無表情で思案する仕草をとるネジ。


「しっかしアレだな、ボルトの姿と声なのに、喋り方と雰囲気が本当にネジだってばよ...! なぁ、ヒナタ?」

「えぇ...、私にも分かる。ボルトの中に、確かにネジ兄さんが“居る”って事。───夢の中では時々会えていたけど、どんな形でも会いに来てくれて嬉しいよ、ネジ兄さん…っ!」

 ヒナタも嬉しさの余り胸の中にぎゅむっと抱き締め、顔面がそこに埋まってしまったボ
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