【その先へ】
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どうも不思議で首を傾げたボルトは、整えられていない長い髪がいちいち顔や首に触れるので少し煩わしく感じた。
「ね、ネジ兄さんの姿と声で、“あなた”はいったいどういうつもり、なんですか...?」
「そう言われても俺にもよく・・・───そうだ、鏡! 鏡、どっかにない?」
「それなら、洗面台のとこにでも行けばっ?」
ハナビという少女がぶっきらぼうに言った。
「洗面台……あぁそっか、ここよく見たらおじさん家じゃん。何度か来た事あるし、場所知ってるってばさ。ちょっと、行ってくる」
「ね、姉さま…、あいつ絶対ネジ兄じゃないよ...! どうする? 何かしでかすつもりだったら───」
浴衣の寝巻き姿のまま鏡のある洗面台へ向かった相手を訝しんだまま、ヒナタに耳打ちするハナビ。
「うーん、“中の人”は悪い人じゃないとは思うけど、もう少し様子を───」
「うおぉッ?! 俺ってば白眼になってる!?」
洗面台らしき場所から従兄らしからぬ大きな声が上がり、思わずビクッとしてしまう姉妹。
「って事は、使えちまうんだよな...! よっしゃあッ、びゃ く が ん!!」
─────「ボルト、お前さっきから柔拳の型ばっかり使ってくるんだな。ヒナタとハナビ、ヒアシのじぃさんに教わってんのは分かっけど...、ずいぶん様になってんなッ!」
ボルトの中のネジは、好天のピクニック先の見晴らしのいい場所でナルトに修行相手になってもらっており、ヒナタとヒマワリは自然の中の草花で花飾りを作ったりしている。
「やっぱヒナタと...、ネジの血もしっかり受け継いでるからなんだな」
一旦修行の手を止め、ナルトは誇らしげにそう言った。
(俺の血も受け継いでいる...? 確かにヒナタ様の従兄ではあるが、大した事など───。そういえば、“俺”は……? ここが本当に、俺の知らない未来だとしたら、俺自身は……どうしているんだ)
「...ボルト、お前朝から何か妙だぞ。さっきの動きは良かったけどよ、あんま喋ってくんねぇし...。かと言って反抗してくるわけでもねーし……。やっぱどっか調子悪いのか?」
考えにふけって眉間にシワを寄せているのを、ナルトが怪訝そうに顔間近で見つめてくるので、このままではいずれ“中身”が違うと知られてしまうのは時間の問題だと腹を括り、ネジは核心に迫ろうとする。
「父...さん、あのさ、ネジって人は……最近、どうしてる?」
「───どうしてるも何も、何度もお前とヒマワリには話してるだろ。お前達の“おじさん”は……、大戦中ヒナタとオレを守って、死んじまったんだってよ」
(……なるほど、そういう事...か)
ボルト姿のネジ
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