【その先へ】
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姉さま見てネジ兄が怯えるわけっ? てゆうか、ヒマワリって何のこと?」
「な、何って、ヒマワリは俺のかわいい妹……ん? そっちのもう一人、誰だっけ?? つーか俺の声、低くなってるってばさ……。もしかしてコレが声変わり!? それに俺...、こんなに髪長かったっけ? しかも黒いし、サラッサラだってばさ」
ようやく意識がハッキリしてきたボルトは、自分が自分ではないような存在になっている事に気づく。
「俺ってば、寝ぼけて誰かに変化しちまったのか?? だったら術解けば───・・・あれ、戻んないってばさ」
「...姉さま、やっぱりネジ兄おかしいよ。あたしのこと誰だかわかんなくて、姉さまのことはヒマワリって知らない子の名前で呼んでかわいい妹とか言って……! ダレこいつ?! ネジ兄の姿してるけどネジ兄じゃないっ!」
「そ、そうなのかも…。口調も態度も何かおかしいけど、ナルトくんの口調にちょっと似てるような……?」
「このぉ...、正体見破ってやるんだからっ。白眼!! ───あれ、特に術で変化してるとかじゃないみたいだけど……??」
小さい方の子が、白眼で注意深くこちらを見つめ、ヒマワリに似たショートヘアの少女は控え目に質問してくる。
「あ、あの、ネジ兄さん……何か、あったんですか?」
「いや、あのさぁ、さっきから俺をネジ兄さんとかって……その人って、俺の母ちゃんのイトコの兄ちゃんの事じゃん。───てか妹に似てるけど、よく見たら顔に俺と同じ二本線無いからヒマワリじゃないってばさ...?」
「ねねっ、ネジ兄さん、近いです...っ」
よく見ようと顔を近づけると、藍色の髪の少女は恥ずかしげに目をぱちくりさせて頬を赤らめ、もう一方の少し髪は長めの気の強そうな少女は警戒感を露わにしている。
「さっきから何言ってるわけっ? あんたがネジ兄じゃないならいったいダレなのよ!」
「俺? 俺は……ボルトってんだけど」
「は? ボルト?? やっぱり中身違うじゃない! 白眼でも見破れないヤツが、ネジ兄に取り憑いてんじゃないのっ?」
「ハナビ、落ち着いて...!」
「ハナビ……? 奇遇だってばさ、俺んとこの“おばさん”もハナビって言うんだぜッ」
悪気ない笑顔で言ったはずなのに、ハナビという少女はみるみるうちに顔を赤くした。
「はぁ?! あたしまだ八歳よっ、“おばさん”なんてあんたに言われる筋合いないんだから!! ヒナタ姉さまぁ、なんとか言ってやってよこいつに...っ」
「ヒナタ姉様? おばさんの姉貴って俺の母ちゃんだから、ヒナタって名前も奇遇だなぁ……(っていうより、写真で見せてもらった覚えのある、小さい頃のおばさんと下忍の頃の母ちゃんにそっくりだってばさ??)」
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