第2章:異分子の排除
閑話4「人間の限界と人外」
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どうかしたのか?」
「っ...!...いや、なんでもない。」
確かに、俺でさえ“早い”と思わざるを得ない動きだったが、見えない訳ではなかった。
だが、それが高町兄妹にはありえないと思える程だったようだ。
「....全力で挑ませてもらおう。」
「お兄ちゃん!?」
高町兄はそう言って高町の使っていた木刀を手に取り、二刀流になる。
小太刀二刀流...それが高町達が使う剣術の本領か。
「(懐に入られれば、手数の差で俺でも無理だな...。)」
対して、俺は脇差程の木刀一本のみ。
手数の時点で差があるため、懐に入られればそれだけで勝てなくなる。
「なのは、審判を頼む。」
「うー...桜さんがどれぐらい強いか私も気になるし....わかったよ。」
元々八神と試合をするためだったが、成り行きで俺も試合をすることになった事に高町はどこか複雑そうだ。...それでも審判は請け負ってくれたが。
「じゃあ...始め!」
「っ.....!」
高町の合図と共に、普段は抑えていた闘気を晒す。
闘気って言っても、周りから見れば雰囲気が変わったとかその程度だけどな。
だけど、それだけで高町兄は俺の実力を大まかに理解したようだ。
「っ、ぜぁっ!」
「っ!」
カァアアン!!
俺の動きに注意しつつ、高町兄は一瞬で間合いを詰め、木刀を振るってくる。
それを上に受け流すように弾くと、もう一刀で一閃してくる。
「くっ...!」
「.....!」
だけど、それは俺からも接近し、手の動きの方を防ぐ事で阻止する。
そこまでで約3秒以下。...早いな。
「早い....!」
「め、目で追いきれませんでした...。」
秋十君とユーリちゃんの驚きの声が聞こえる。
しかし、それを気にする暇もなく、高町兄は再度攻撃を仕掛けてくる。
「はぁっ!!」
「っ!」
先ほどは様子見だったのか、さらに鋭く、早い攻撃が迫る。
さすがにきついので、咄嗟に心に水を宿し、受け流して躱す。
「「........。」」
受け流した際に、俺は滑るように高町兄との間合いを取った。
それにより、初期位置から移動したものの、仕切り直しになる。
「...凄い...お兄ちゃん、全力でやってる...。」
「桜さんもいつも以上に真剣だ...そこまでの相手なのか...あの人。」
高町と秋十君の声を皮切りに、再度ぶつかり合う。
動きに風を宿し、心に水を宿したその動きで、高町兄の手数の差を潰す!
「っ...!」
「は、ぁっ!!」
高速且つ流れるような動きで近づき、木刀を一閃。
動きは見えた
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