23. 友達と手をつないで 〜赤城〜
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「俺達の名は天龍組……」
「「「「「「フフ……コワイカ?」」」」」」
天龍さんに『姐さん、ちょっと見てくれよ』と鼻息荒く言われたので、気になって演習場まで来てみれば……なんだこの妙な光景は。10人程度の深海棲艦さんと天龍さんが、全員おそろいの眼帯をつけて腕組みをし、息を合わせて私に凄んできていた。
「……何やってるんですか?」
「子鬼だけじゃなくて他にもいっぱい増えちまったからな。いっそのこと天龍組でも作ろうかと思ってさ」
得意げにそう語る天龍さんの言葉通り、天龍さんの眼帯をつけたこの天龍組の面子は中々にそうそうたるメンバーだ。組長の天龍さんとその二世さんを筆頭に、駆逐のロ級さんとハ級さん、軽巡のヘ級さんとツ級さん……かなりの大所帯になりつつある。
異彩を放っているのは、あの戦いでロドニーさんに徹甲弾をくらっていたヲ級さんだ。どちらかというと小型艦が多いこの天龍組の一員において、彼女の存在感だけが妙に目立っていた。
「……あなたも天龍組ですか」
「フフ……コワイカ?」
「怖くはないですねぇ……」
「「「「「「ガーン……」」」」」」
私はヲ級さんにだけ向けて言ったはずなのだが……なぜ天龍組の全員がショックを受けるのか理解に苦しむ。
「でもさー。そろそろ姫クラスの仲間も欲しいよなー……」
「ヲ……」
「ヘ……」
「ロ……」
真剣にそう話す天龍さんと天龍組のみなさんに対し、私は苦笑いしか出来なかった。
集積地さんが、この鎮守府にたくさんの仲間を引き連れて戻ってきてくれたあの日から、三ヶ月ほど経過した。あの日からうちの提督を仲介人として、人間サイドと深海棲艦さんサイドの間で、停戦に向けて話し合いが続いている。
話し合いに入ってもう二ヶ月ほどになるが、別段話が難航しているわけではない。細かい調整や互いの条件などの折り合いをじっくり折衝していった方が良いのではないか……という提督の提案のもと、一つ一つの懸案事項に対して丁寧に解決をしているだけだ。
そしてもちろんだが、話し合いに入った段階で私達と深海棲艦さんたちの間で繰り広げられていた戦いも、停戦という形で幕を閉じた。最近ではこの鎮守府に深海棲艦さんたちが毎日顔を見せるようになった。
鎮守府ももう『戦争の最前線基地』というよりは、『みんなの憩いの場』となっている。『鎮守府に来たらやっぱり鳳翔さんの冷やしおしるこは外せないよねー』というレ級さんと空母棲姫さんの会話が聞こえて来た時は戦慄を覚えたが……そんな会話も今ではもう聞き慣れた。
「おーい。アカギー」
「ぁあ、ロドニーさん」
「マミヤに行くのか?」
「ええ。抹茶アイス食べたいので」
「じゃあ私も行こう。私もグリーンティーアイスが食べたい」
「時間は大
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