23. 友達と手をつないで 〜赤城〜
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てないはずの戦艦棲姫さんだったが、それでも青葉さんは『恐縮です!!』と言いながら戦艦棲姫さんに詰め寄っていた。私は青葉さんに『恐縮という言葉は免罪符ではないですよ』と教えてあげたくなったが……それは本人も分かった上で、あえて口走っているのだろう。
青葉さんは提督からの極秘任務を受けてしばらく鎮守府から離れていたのだが……それは、この戦争の犠牲者のデータの入手と中将の調査だった。青葉さんはある日提督に、『轟沈に関する詳細なデータの入手』と、『中将の裏の顔の調査』をお願いされたんだそうだ。
その後、青葉さんは永田町鎮守府に潜伏して中将に関する情報を収集し続けた。集積地さんを帰す時……集積地さんが意思表明した次の日に帰したのは、事前に青葉さんから『ロドニーさんを派遣するという話があがっている』ということが提督に伝わっていたからだそうだ。
つまり彼女は、今回の騒動の裏の立役者の一人というわけだ。名ジャーナリストである、彼女らしい事態への関わり方だ。……いやルポライターか?
「だからといって人にくず餅をちゃんと食べさせないのはどうかと思うぞアオバ」
「恐縮です。ひいてはそのうち、ロドニーさんにもインタビューをさせていただきたいと」
「う……」
「なんせ今のところ唯一の深海棲艦さんとコンビでお仕事されてる方ですからね! 戦艦棲姫さんとのコミュニケーションとか仕事内容とか、青葉はとても興味があります!」
「……戦艦棲姫、答えてやれ」
「私に面倒事を振るなロドニー……」
うーん……ロドニーさんたちもずいぶんな面倒事を背負い込んでしまったなぁ……なんて他人事満々な感じでクリームあんみつの到着を待っていたら……
「赤城さんにもそのうち“あなたと空を駆け抜けたくて大作戦”に関してインタビューさせていただきますよ?」
と急に話題を振られた。
「ぇえ!? な、なぜですか!?」
「だって、深海棲艦さんとの歴史上初の共同作戦ですよ? これは詳細をぜひお伺いして、この事実を広く公にしなければ……」
「お、お手柔らかに……」
そんな大げさなものではないのだが……でもあの作戦は思い出深い。私と天龍二世こと子鬼さんが仲良くなるきっかけになった作戦だし、青葉さんに話を聞いてもらって、記事にしてもらうのも悪くないかもしれない。
ところで、先程から戦艦棲姫さんの様子がおかしい。青葉さんから開放されてやっとくず餅にありつけているというのに、なぜだか元気がない。しょんぼりとうなだれ、肩を小さくしてくず餅を食べている。
「戦艦棲姫さん?」
「? あ、ああ、どうしたアカギ?」
「なんだか元気がありませんが……どうかしたんですか?」
「ああ……今回の外出の件でな……」
ロドニーさんも言っていたが、今日はこ
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