暁 〜小説投稿サイト〜
テキはトモダチ
23. 友達と手をつないで 〜赤城〜
[3/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
免職の上、逮捕となった。最強の鎮守府を指揮する最高の指揮官……その裏の顔は、相当えげつないことをやらかしていたクソ・オブ・クソ。それを突きとめた提督が告発し事が公になった結果、中将は自身が築き上げた鎮守府の仲間たちにすら同情されず見捨てられ、憲兵に逮捕連行されて鎮守府を去っていったと聞いた。

 元々、提督は『うちの方針に口出しできなくさせるため』という理由で中将の身辺調査をさせたそうだけど……そのあまりのえげつなさにさすがの提督も正義の心が芽生えたらしい。提督はそのえげつない証拠を司令部に提出し、結果、中将は懲戒免職となり、そして憲兵の手で逮捕となった。

「でも司令官の身が心配だ。そこまで追い込んだら、なにをやってくるか分からんからな」

 そう言ってロドニーさんは心配しているが……私も気になって一度聞いてみたことがある。あまりに追い詰めると、人は何をしでかすか分からない。そこまで中将を追い込んだ結果、拘束中の中将が抜け出し、提督に襲いかかりでもしたら……。

 でも提督は……

――俺のとこに直接来た時は、ロドニーと戦艦棲姫がいるし大丈夫でしょ。
  仮に司令部にクソの仲間がいても大丈夫。
  黙らせる材料はいくつもあるし、いくらでもひねり出せるから。

 と死んた魚の眼差しで答えていた。ロドニーさんには黙ってるけど、提督の恐ろしさの片鱗を垣間見た気がした。。いくつもあるというのはまだしも、ひねり出せるって……。

 ちなみに中将の『えげつない悪事』の犠牲になった子たちは、後に次々と救出されていった。永田町にも新しい提督が着任したとも聞く。あそこも今後は良くなるだろう。

 そんなこんなで間宮さんの入り口に到着。入り口に置いてあるベンチで『ワっ……げふっ……』『奥様は予定日はいつ頃クマ? さすりさすり……』というよくわからない寸劇をやっていた球磨さんと補給艦のワ級さんを尻目に、私とロドニーさんは間宮さんに入った。

「じゃあじゃあ! 戦艦棲姫さんはどうして司令官の護衛を買って出たんですか!?」
「あ、い、いや……別に大した理由はないんだが……」

 店内に入ると同時に私とロドニーさんの耳に襲いかかる、この鎮守府の名ジャーナリスト青葉さんの声。青葉さんはくず餅を食べている戦艦棲姫さんに対し、独占インタビューを強行しているようだった。きっと本人の了解は得てはいないだろう。戦艦棲姫さんの冷や汗と困り顔がそれを物語っている。

「やあ青葉さん!」
「ぁあ、赤城さん! 恐縮です!!」
「アカギ助けてくれ……アオバが私にくず餅を食べさせてくれないんだ……」
「いやぁー、やっと戦艦棲姫さんにインタビューが出来るかと思うともう逸る気持ちを抑えられなくて……恐縮です!」

 どう考えても迷惑以外の感情を表に出し
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ