プロローグ〜記憶の映画館〜
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』
『酷すぎるお!?ここは猫娘の事を思い出しながら、記憶を削除するシリアスな場面だお!?』
いや、一回一回、映像確認してから記憶削除とか効率悪いし……。
削除した事すら忘れてしまうから、僕視点だと意味ないし……。
そもそも、邪神どもの事すら、記憶を削除したせいで、どこの誰なのか分からないし……。
お前ら誰だっけ?お前ら、何人いるの?
『ひでぇ!?』
『長い付き合いなのに酷いお……』
『うむ……犬さんの記憶容量を上げる方法を考えないと……そろそろダメになってきたな……』
……こうして、僕は五千年に相当する記憶を削除した。
なぜか、頭は軽くて気分爽快なのに、心が苦しい……。
『会話中に酷いお……』
『猫娘のナズーニャンが可哀想だお……』
『次の人生を頑張るんだぞ……犬さん』
ああ、僕は今度こそ生き抜いて見せる。
そして、人生初めてのガールフレンドを作って、獣人を繁栄させて幸せになるんだ……。
『ツッコミを入れて良い場面かお……?』
『いや、犬さんは記憶を削除して、完全になかった事にしてしまったんだ……。
教えない方が良いだろうな……うむ』
さぁ、映画館の上映も終わり、僕が転生する時がやってきた。
今度こそ幸せな家庭を築いて、ゆっくりモフモフして過ごすんだ……。
視界がブラックアウトして、僕の意識は深い暗黒へと染まった――
意識が覚醒した。絶望的な難易度の人生が始まった!
……。
……。
……。
……あれ?なんで、僕は映画館に居るんだ?
転生したんじゃないのか?
『犬さんは赤ん坊の頃に死んでしまったお』
『また……過去の映像を見ないといけないですぞ!』
『うむ……私達も、犬さんの人生を見せられる訳だからな……見飽きて辛くなってきた……』
もうやだ……この人生の難易度……
……僕の人生ヘルモード……。
ああ、獣娘のガールフレンドを作れた記憶もない……。
可愛い娘とイチャイチャして平和に暮らしたいなぁ……。
投影される映像のほとんどが……人間と繰り広げてきた戦いの歴史ばっかり……
『獣娘のシーンがないから、余計に視聴が辛いお……』
『激しい戦争映画も見すぎると飽きてくる件』
『うむ……なんと言えばいいのか……獣娘の姿が皆無だと……映画はむさくるしい場面だらけだな』
……女友達がゼロで悪かったな!お前ら!
今度こそ、転生して、素敵な尻尾が似合う獣娘と仲良くしたい!
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