487部分:第六十八話 魔界の戦士達その五
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第六十八話 魔界の戦士達その五
「俺にだ」
「といいますと」
「戦われるのですぁ」
「そうさせてもらいたい」
こう二人に申し出るのだった。
「それで駄目か」
「いえ、アイオリア様がそう仰るのならば」
「我等に異存はありません」
彼等の返答はこうしたものであった。
「それでは我等は」
「これで」
「アイオリア様自ら戦われるのか」
「まさか」
青銅の者達は今まで見ているだけだったがアイオリアがこう言ったのを見てゴクリ、と息を飲んだ。そのうえで見守るのだった。
「これは凄いことになるな」
「ああ、そうだな」
「黄金聖闘士の戦い」
それがどういったものか。彼等はまだ知らなかったのだ。彼等聖闘士の中でも最高位に位置する黄金聖闘士の戦いがどういったものなのか。
だからこそ見守るのだった。どれだけの戦いが繰り広げられるのか。自分達から戦うことを申し出ることは今の彼等には無理なことであった。
「一体どんな戦いになるんだ?」
「これは」
「全くわからないぞ」
そしてだった。それは彼等だけではなかった。
「レオが出て来るのか」
「最強の黄金聖闘士がここでか」
インプ達も同じであった。彼等もゴクリ、と息を飲んでいた。
「だが。好都合だ」
「そうだな」
「その通りだ」
しかし彼等は狂闘士特有のその激しい闘争心でもって戦いへの恐怖はなかった。当然アイオリアが強大であるとわかっていてもだ。
「ここでレオを倒せばここでの戦いは決まる」
「聖域の象徴である黄金聖闘士を一人倒せばそれだけでだ」
「我等の有利になる」
「倒せることができればの話だ」
しかしその彼等に対してアイオリアが言ってきたのだった。
「それはだ」
「それはわかっている」
「我等を侮らないでもらおう」
今のアイオリアの言葉に毅然として返したインプ達だった。
「レオ、貴様がどれだけ手強い相手なのかはわかっている」
「しかしだ。我等も狂闘士の端くれ」
「そのことを忘れるな」
雑兵達とはいってもだ。彼等も狂闘士達の誇りを強く備えているのであった。
誇りのままだった。彼等はここでもジリ、と前に出るのだった。
そのうえでだ。今まさにアイオリアに向かわんとしていた。
「まずは貴様を倒す」
「そして他の者達をだ」
倒すというのだった。
「覚悟はいいな」
「串刺しにしてやろう」
「ならば来るのだ」
やはりその彼等の言葉を正面から受けてみせるアイオリアだった。
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