第60話 仇
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ございます......」
「ありがとう......生きていてくれてありがとう......サソリも......うっぐ」
言うな
オレに礼を言うな
最悪な事をした
禁じられた『人傀儡』を造ってしまった
言うな
オレは弟子を闇の道に引きずり込んでしまった
人形になりきれなかった人間に......
かつての過ちを繰り返してしまった
「お姉さま......あ、ああ.....,ああああー!」
「!?」
突如として、痙攣が走り黒髪のミサカは震え出した。眼は光を無くして何かに脅えるように叫びだした。
「ど、どうしたの!?」
「......やはりな......あの記憶が影響しているみたいだ」
「あの記憶?」
「痛みは......もっとも強く記憶に残るんだ.......このままだと神経に影響が出る」
アクセラレータに虐殺されたあの日
恐怖と痛みに支配された日
生まれて間も無いミサカには精神的に耐えられるキャパシティを超えている。
パニックを起こしてガタガタ震えている黒髪のミサカの頭を撫でる。
「大丈夫だ......なんとかしてやる」
「し、師匠......お姉さま」
「大丈夫だからね......なんとか出来ないの?」
「......暫くの間、コイツの記憶を封じ込める」
サソリは戸棚から極小の針を取り出すと落ち着きを取り戻したミサカを座らせた。
「これを打ち込んで、今までの記憶を封じることができる」
「記憶を!?じゃあ、もう二度と」
「一時的だ......オレが術を解けば記憶は蘇る」
サソリはミサカの頭に極小の針を埋め込み始め、最後の一手の所で止めると御坂の手を掴んでミサカの頭に近づけた。
「次に逢えるのは、数年後だな。身体と精神が成長してあの日を受け止めることが出来るまで」
「必ず......迎えに来るからね。絶対だよ!」
最後の一手を打ち込む前にミサカは、人形の腕を伸ばしてサソリと御坂の腕を掴んだ。
「お姉さま......師匠......ミサカは幸せです。またお逢い出来るのを楽しみにしています」
ポロポロと泣いている御坂の脇でサソリが涙を一筋流した。
御坂が力を込めると針は入っていき、記憶の中枢に入り込んだ。
潜脳操砂の術!
ミサカの全ての記憶が全て走馬灯のように浮かぶと次々と吸い込まれるように消えていった。
「またな......バカ弟子」
******
万華鏡写輪眼で繋がった異空間で朝を迎えたサソリは座敷で布団に入って寝ていると、トテトテと小さな身体をした黒髪の人傀儡が飛び乗ってきた。
「とぉ!!」
「ぐあっ!?」
サソリの腹部にクリティカルヒットしたらしく、顔を歪ませたながら身体に乗っている黒髪の子供がニコニコと座っていた。
「何して
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