第60話 仇
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た穴から赤い瞳が光り始める。
ゼツのもう一つの顔、トビの出現である。
一方通行の身体を立ち上がらせるとコキコキと身体の体操を始める。
「あー、良く寝たっすね......ん?先輩?」
「貴様らぁぁー!」
サソリの拳を紙一重で躱したトビ一方通行は、サソリの懐に入り込むと掌を顔に向けた。
バン!!と音がしてサソリはひっくり返った。
「がはっ!?」
「良く分からないっすけど......先輩、チャクラが切れ掛かっているっすね。どうするんすか?」
トビ一方通行が頭の後ろに手を回しながら、飄々とした感じで後ろにいる肩を凍らせたゼツに質問した。
「......帰るね。まあ、今回はトビに最強の肉体が手に入ったし......結果オーライ」
ゼツの掌にある赤い輪廻眼を何もない空間に向けると真っ黒な正方形が積み重なったような形で空間が断裂した。
「サソリ......今回ノ件デ貴様ラヲ計画ノ脅威ト考エル......次ハ容赦シナイ」
「ま、待ちやがれ!」
「よっと」
トビ一方通行が地面を叩くと、地面が爆発しサソリに噴石が激突した。
「!?」
「良い感じの術っすね〜。チートみたいっす」
ゼツが断裂した空間に入ると、トビ一方通行も手を振りながら消えていき、空間の断裂は修繕されて映像が途切れたように景色は平穏を取り戻していた。
「クソ......」
サソリは地面を大きく叩いた。
ゼツの企みが見えない現状。弟子を無事に護れなかった憤りとアクセラレータの事......全てがサソリの中で静かに木霊した。
遠くから
「サソリーー!」
と呼ぶ声が響いてきた。サソリはそっと気だるそうに倒れ込んだ。
見れば御坂達が心配そうに駆け寄って来ている。
サソリと激闘した現場から僅かに100メートル離れたコンテナの陰に倒れ込んだゼツと爆笑しているトビ一方通行がいた。
「次は容赦しない......プハハハ、そこまではカッコ良かったっすよ!あ〜、先輩に見せたいっすね」
「だから言ったのに......あの輪廻眼は試作品でかなりチャクラ使うから危ないのに......もうほとんどないよ」
「黙レ......」
どうやら、ゼツもチャクラが空っぽに近いらしく。地面に這いつくばるように微かに動く程度だ。
「っでどうするんすか?ぬのた......なんちゃらの処まで運ぶんすか?」
トビ一方通行が倒れているゼツを覗き込みながら質問した。
「イヤ......彼処ニ行ク......チャクラヲ回復サセル」
「アイアイサー」
トビ一方通行がゼツを背中に背負いながら走りだした。
コンテナを足場にしてヒョイヒョイと軽々移動していく。
「そういえば......次はトビの番だね」
「番すか?」
「心ノ闇ノ回収ダ」
「あー、そん
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