第60話 仇
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土埃が舞い上がる薄ボヤけた世界を目を擦りながら見ている。
「うう......」
「何があったんですの?」
「白井さん!湾内さん!」
佐天が駆け寄る。見た感じでは皆に危害は無さそうだ。
「みんな大丈夫?」
「げほげほ......」
御坂が泡浮を引き上げる。
「アイツ......こんな事も出来るのね」
「超危なかったです」
「......」
ミャー
レベル5は自分でバリアを展開して、その身を守っていたようだ。
滝壺が抱き上げている子猫がパニックを起こしたようにジタバタしていると......
「ダメ!飛び出したらもっと危ない」
と子猫の鼻先に手をちょこんと乗せた。
「何処に行ったのかしら......それにさっきの矢は?」
麦野が思案顔で佐天を見つめた。
「ど、どうかしました?」
佐天が心配そうに麦野を見返すと、麦野は「?」と疑問符を浮かべてそっぽを向いた。
威力から言えば、私達に匹敵しそうね
本人には自覚がないみたい
「??」
衝撃波を引き起こした張本人のゼツが姿を消していて、滝壺がAIM拡散力場を追跡していた。
地中を通って気配はサソリに伸びている。
******
「しのび?」
時代錯誤のような言葉にアクセラレータは目を丸くした。
「......まあいいや、っで俺も殺しに来たンかァ?」
「......怨みを買われる事には慣れてンよ。お前にならよいかもしれねェ」
大の字に横になったまま、アクセラレータはデフォルト設定にしている『反射』を切った。
「さっさと殺りやがれェ」
「......オレは弟子の仇を取りに来ただけだ」
「だったら......仇でもなンでも」
「仇は取った......無論死んでいたら容赦しないがな」
「は?どういう意味だァ」
サソリは少し優しげな顔をすると
「そのままの意味だ」
と答えた。
「!?......今度は手加減なンざしねーからな」
「......臨む所だ最強」
むくりと身体を起こしたアクセラレータは、最大の好敵手出現に顔を綻ばせて鼻血を片方抑えて血を出した。
しかし、茨を生やしたゼツが土中から姿を現して、アクセラレータの顔に植物を這わせた。
「!?貴様!?」
「礼を言うよサソリ......これで最強戦力がボクらの手に入った」
アクセラレータの顔に張り付いた茨は、徐々にグルグルとした面へと変貌して辺りの大気が震え始めた。
「がアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!あ......ああ......」
アクセラレータは、グルグルの面を外そうともがくが、すぐに膝を折れて呆然と立ち膝のまま空を見上げた。
仮面に空い
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