暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜赤と紅と緋〜
第1章
旧校舎のディアボロス
第9話 友達、できました!
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に頼る形になっちまってるけど・・・・・・」

 ああ、もう! ホント無力な自分が腹たたしい!
 だけど、強くなるって決めたんだ! なら、当初の予定通りに──。

「明日夏! 俺を鍛えてくれ!」
「言うと思った」

 ふぅと明日夏は嘆息してから言う。

「俺は結構厳しいぞ。いいな?」
「ああ!」

 散々迷惑かけちまってるんだ! 厳しいとか、そんな贅沢は言わねぇよ!

「ただし、そんなすぐに強くなれわけじゃねぇ。鍛えたからって調子に乗って、堕天使と戦うようなバカなマネはするなよ?」

 明日夏は強くそう言い聞かせてくる。
 俺はそれに頷いて答える。

「皆さん・・・・・・私なんかのためにありがとうございます!」
「なんかって言うなよ」

 それでも、アーシアは「私なんかのために」って言って、頭を下げてくる。
 そこへ、明日夏がアーシアに話しかける。

「なあ、アーシア」
「あ、はい。なんですか?」
「どうしておまえは、教会を追放されたんだ?」
「っ!」

 明日夏の問いかけにアーシアは息を呑む。
 アーシアが堕天使のもとにいるってことは・・・・・・そういうことなんだろう。

「・・・・・・・・・・・・」

 アーシアはただ、うつむいて黙っているだけだった。

「いや、言いたくないなら、無理して言わなくていい。ただ、俺たちはおまえのことをよく知らないからな」

 確かに、俺たちはアーシアのことをよく知らないんだよな。
 いやまぁ、だからどうこうってわけじゃないけど。

「・・・・・・いえ、話します」

 そして、アーシアの口から話される。──一人の『聖女』と呼ばれた少女の話を。


―○●○―


 アーシアは生まれてすぐに、親にヨーロッパにある教会の前に捨てられたらしい。アーシアはそこで拾われ、育った。
 ある日、傷ついた子犬が教会に迷いこんできた。その子犬は死にかけていて、教会の者もお手上げだったらしい。アーシアはそれでも諦めずに祈り続けたそうだ。すると奇跡が起き、子犬のケガが治った。
 そのときにアーシアは初めて神器(セイクリッド・ギア)の力に目覚めたのだろう。
 その光景を見た教会関係者はアーシアを『聖女』として崇め、たくさんの傷ついた人々を治療したらしい。アーシア自身も、人々の役に立てるのが嬉しかったみたいだ。
 だが、そんなアーシアに転機が訪れた。
 ある日、アーシアの前に傷ついた男性が現れた。当然、やさしいアーシアはその男性を放っておくことができず、その男性を治療した。それ自体は問題なかった。だが、その男性の正体が問題だった。その男性は悪魔だったのだ。
 そして、その光景を見た教会関係者は彼女を異端視する。

『悪魔を治療する力だ
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