第1章
旧校舎のディアボロス
第9話 友達、できました!
[10/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
に頼る形になっちまってるけど・・・・・・」
ああ、もう! ホント無力な自分が腹たたしい!
だけど、強くなるって決めたんだ! なら、当初の予定通りに──。
「明日夏! 俺を鍛えてくれ!」
「言うと思った」
ふぅと明日夏は嘆息してから言う。
「俺は結構厳しいぞ。いいな?」
「ああ!」
散々迷惑かけちまってるんだ! 厳しいとか、そんな贅沢は言わねぇよ!
「ただし、そんなすぐに強くなれわけじゃねぇ。鍛えたからって調子に乗って、堕天使と戦うようなバカなマネはするなよ?」
明日夏は強くそう言い聞かせてくる。
俺はそれに頷いて答える。
「皆さん・・・・・・私なんかのためにありがとうございます!」
「なんかって言うなよ」
それでも、アーシアは「私なんかのために」って言って、頭を下げてくる。
そこへ、明日夏がアーシアに話しかける。
「なあ、アーシア」
「あ、はい。なんですか?」
「どうしておまえは、教会を追放されたんだ?」
「っ!」
明日夏の問いかけにアーシアは息を呑む。
アーシアが堕天使のもとにいるってことは・・・・・・そういうことなんだろう。
「・・・・・・・・・・・・」
アーシアはただ、うつむいて黙っているだけだった。
「いや、言いたくないなら、無理して言わなくていい。ただ、俺たちはおまえのことをよく知らないからな」
確かに、俺たちはアーシアのことをよく知らないんだよな。
いやまぁ、だからどうこうってわけじゃないけど。
「・・・・・・いえ、話します」
そして、アーシアの口から話される。──一人の『聖女』と呼ばれた少女の話を。
―○●○―
アーシアは生まれてすぐに、親にヨーロッパにある教会の前に捨てられたらしい。アーシアはそこで拾われ、育った。
ある日、傷ついた子犬が教会に迷いこんできた。その子犬は死にかけていて、教会の者もお手上げだったらしい。アーシアはそれでも諦めずに祈り続けたそうだ。すると奇跡が起き、子犬のケガが治った。
そのときにアーシアは初めて神器の力に目覚めたのだろう。
その光景を見た教会関係者はアーシアを『聖女』として崇め、たくさんの傷ついた人々を治療したらしい。アーシア自身も、人々の役に立てるのが嬉しかったみたいだ。
だが、そんなアーシアに転機が訪れた。
ある日、アーシアの前に傷ついた男性が現れた。当然、やさしいアーシアはその男性を放っておくことができず、その男性を治療した。それ自体は問題なかった。だが、その男性の正体が問題だった。その男性は悪魔だったのだ。
そして、その光景を見た教会関係者は彼女を異端視する。
『悪魔を治療する力だ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ