第1章
旧校舎のディアボロス
第9話 友達、できました!
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ようはある。それに、部長たちが連中を仕留めてくれるかもしれないからな」
なんで部長たちが? 部長は堕天使と関わらないようにしてたのに?
「これが堕天使全体の計画なら、部長も不干渉を貫くだろう。干渉すれば、悪魔と堕天使の間で再び戦争が始まるかもしれないからな」
「なら──」
「──堕天使全体の計画だったら、だ」
どういうことだ?
「俺はこの計画をあいつらの独断だと睨んでいる」
「なんでだ?」
「考えてもみろ? ここは部長が管理する町──つまり、堕天使たちとっては敵地同然だ。そんな場所で、わざわざどこでもできるような計画を実行する必要があるか?」
「ッ!?」
そうだ! わざわざ、敵地である部長の管理するこの町よりも、自分たちの領域でやったほうが、安全に実行できるはずだ。
それをしないってことは、明日夏の言う通り、自分たちの独断でやってる可能性が高いってことだ。
「おまえがアーシアを案内した教会。あそこはもう、ずいぶんまえに破棄された場所だ。誰も目に止めない場所でもある」
こっそり、計画を実行するぶんには都合のいい場所ってわけか。
「たまたま、都合のいい場所があったから、おまえ殺す命令を口実に、この町にやってきたってわけだ、あいつらは」
そういえば、あのドーナシークっていう堕天使、ここが部長の管理している──それどころか、悪魔が管理している町だってことを知らなかったみたいだったな。て──。
「ちょっと待て、その言い分からすると・・・・・・この計画の首謀者って──」
「ああ。天野夕麻だ」
夕麻ちゃんが、アーシアを・・・・・・。
「堕天使全体ではなく、一個人の独断で行動している奴らなら、部長も無視はしないはずだ。堕天使側も、戦争を回避するために、勝手なことをしたそいつの自業自得と断ずるだろう」
「じゃあ、このことを部長に教えれば!」
「いや、証拠がない。俺の推察だけじゃ、部長も確信を持って打って出れない」
そっか。だよな。証拠がねえもんな。
「部長も部長で、調査はしているはずだ」
「じゃあ、それまでの間、アーシアを連中に見つからないようにしないとダメってわけか」
「間に合わず、アーシアが見つかった場合は、俺たちが打って出るしかないがな」
やっぱ、そうなるか。
「あ、あの、皆さん・・・・・・私なんかのために・・・・・・」
アーシアが申し訳なさそうに顔をうつむかせながら言う。
「何言ってるんだよ、アーシア。それを言うなら、先に助けてもらったのは俺のほうだよ! あのとき、アーシアが庇ってくれなかったら、たぶん、明日夏が間に合うことなく、俺はあいつ──フリードに殺されてた。だから、今度はこっちの番──て、俺は弱いから、明日夏たち
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