憧れ
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ゃないの?」
シェリアたちの言葉を全て信じるなら、彼女の方が魔法の知識は俺よりもあるかもしれない。だったら独学で勉強したりした方がよっぽど彼女のためになるような気がする。
「いえ!!私これしか魔法できないんです!!」
なぜかキラキラと輝いている笑顔で自信ありげにそんなことを言うサクラちゃん。
「え?今の魔法しかできないの?」
「はい!!だからシリル先輩に色々教えてほしいんです!!」
さっきの魔法が高度なものなのはわかったけど、それしかできないとなると話は変わってくる。独学だからしょうがないような気もするけど、大魔闘演武ならすでに二、三ヶ月くらい経っているし、もう少し技を・・・もしくは速度を上げてもらいたいところだ。
「他のは全くできないのか?」
「いえ!!ちゃんとやれてるはずなのになぜか発動しないんです!!」
試しにやってみせることになった彼女は本の中から一番やれそうなものを選び実演して見せる。先程よりも速度がさらに遅くなった腕を振るい終えた少女。その周りに魔法陣が――――
パァンッ
現れたかと思ったら、魔力が撒き散らされるように消えてなくなった。
「あれ?失敗?」
「うまくできてると思ったんだけど・・・」
シェリアとラウルが顔を見合わせ首を傾げる。ウェンディたちもなぜ失敗したのかわかってないらしく、不思議そうな顔をしていた。
「ねぇ、サクラちゃん」
「サクラでいいです!!」
呼び方に距離感を感じたのか、呼び捨てにするように提案してくる彼女を軽くスルーして気付いた点を述べる。
「文字間違ってたよ?」
「「「「「え?」」」」」
彼女の魔法陣はいくつが文字が誤っており、本来の効力を発揮できるものではなくなっていた。俺は目がいいので、その間違った瞬間を捉えることができたのである。
「げぇ!!シリル先輩すげぇ!!さすが師匠です!!」
自分のミスを指摘された彼女はなぜか大喜びで飛び付いてくる。なんだかタックルみたいで腰に響いて痛かったんだけど!!
「ちょっと!!抱き付かないで!!」
「イヤです!!弟子なんだからこれくらいいいはずです!!」
引き剥がそうとしてみるけど、彼女の抱き付く力が強すぎて引き剥がせそうにない。てか痛い、すごく痛い。
「ウェンディ!!助けて!!」
「弟子の指導は自分でやらないとね?」
「見放されたぁ!!」
助けを求めても誰もそれに答えてくれない。この状況ならウェンディが何とかしてくれるんじゃないかと思ったんだけど、弟子だからという観点で見捨てられてしまった。
「シリル先輩!!私に魔法を〜!!」
「先輩って、そもそも君いくつ!?」
身長を見た感じ俺と同い年くらいだと思うんだけど、そんな人に先輩と呼
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