憧れ
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そう。この本にある魔法を一つでもできたら合格。君は晴れてシリルの弟子になれる」
「ホントですか!?」
当人の許可も取らずに話を進める氷の神。それを否定しようにもサクラちゃんはすでにやる気満々で、止めるのが申し訳なくて口を挟めない。
「ただし、チャンスは一回だけ。失敗したら諦めるんだぞ」
「はい!!了解であります!!」
なかなか厳しい条件だということに彼女は気づいていないんじゃないだろうか?初めて扱う魔法ってだけでも厳しいのに、たった一度でアドバイスも何もなく本の中の魔法を再現しなければならない。そんなこと、普通の人間じゃあまず無理だ。
「ちょっとレオン!!それは厳しすぎるんじゃないの!?」
「そうだよ〜!!せめて2、3回はやらせてあげないと〜」
「合格させる気ないのが丸見えだよ?」
この試験内容にエクシードトリオは反対していた。俺としてはこれで諦めてくれるならありがたい限りなんだけど、シャルルたちからすれば頑張ってほしいと思うところなんだな。
「大丈夫大丈夫。きっとすぐにシリルの困った顔が見れるから」
「え?」
俺を助けてくれようとして言ったと思っていたのに、そんなことを言うのはなぜだろうと思ってそちらを見ると、不敵な笑みを浮かべる少年の姿があり背筋がゾッとした。
「行きますよ!!」
そう言って両腕をゆっくりと振っていくサクラちゃん。何をやっているのかと思って見ていると、しばらくして腕を止めた彼女の周囲に魔法陣が出現した。
「え・・・?」
ギルドの皆さんが感心している中、俺は額に汗を浮かべてその様子を見ている。これはまさか・・・
「ハァッ!!」
両手を前に突き出すと、魔法陣の中から無数の何かが飛んでくる。その方向は・・・レオン。
「うおっ!!」
慌ててサクラちゃんの攻撃を凍らせて事なきを得る。彼が凍らせたものを見ると、何やらたくさんの種類の武器だったらしく、地面に転がり、やがて消滅した。
「ほぅ・・・魔法陣を作っての魔法か」
「基本中の基本だもんね」
「え?そうなの?」
リオンさんとシェリアの会話にビックリしているウェンディ。俺たちは魔法を放つことで繰り出しているから、魔法陣を作るなんてしたことがなく、基本中の基本って言われて驚いてしまうんだ。
「でもあのレベルの魔法陣はなかなか上級者向けじゃないか?」
「俺はそこに行く前に学校やめたから」
魔法学校で魔法陣を使用しての魔法を練習するらしいが、レオンはそこに行く前に学校をやめているらしい。それでも彼はそこそこの学年までいたはずだから、今サクラちゃんが使った魔法がどれだけレベルの高いものなのか想像できる。
「でもそんなに高度な魔法ができるなら、俺の弟子になんかならなくていいんじ
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