憧れ
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れる自信があります!!」
「いや、そうじゃなくてだな・・・」
言いたいことが伝わらなくて、頭をかきむしるリオンさん。彼はどうしようか迷った末、諦めて俺にすべての判断を委ねることにしたらしく、視線をこちらに向けていた。
(仕方ないか・・・)
元々俺を訪ねてやって来たわけだし、断るなら俺から言うのが筋ってものだろう。なので俺は彼女の目を真っ直ぐに見据え、口を開く。
「ごめんサクラちゃん。俺は君を弟子にすることはできない」
「えぇ!?なんでですか!?」
断られることなんて微塵も考えていなかったらしく、掴んでいた手をブンブンと振り回しながら理由を問い詰めてくる少女。そんなに腕振られたらもげるって!!
「俺はまだまだ人に教えられるレベルじゃないし、そんなことしてる暇なんかないから」
腕をもぎ取られそうになるのを何とか止めて彼女にそう告げる。俺には大きな目標もあるから、弟子を取って指導しているなんて時間はない。そんな時間があるなら、少しでも修行をしていたいから。
「ならなら!!私がシリル先輩の背中を見て勝手に学びますから!!」
これで諦めてくれればよかったんだけど、残念なことにそう簡単に引き下がってくれる子ではないようだ。向こうがこっちから自分の力で学んでいくなら迷惑はかからないけど・・・そこまでして弟子になりたいものなの?
「ねぇ、サクラは魔法って使えるの?」
すると、横からシェリアがそんな質問をぶつけてくる。魔法はコツさえ掴めれば誰だって使うことができるらしいんだけど、もちろんうまく適応しない人だっている。レオンみたいに一つの魔法に特化している人もいれば、何でもかんでもできる人もいるだろう。そして俺はヴァッサボーネから教えてもらった滅竜魔法しか持っていない。これは本物のドラゴンから教えてもらったからこそ意味があるのであって、俺から指導を受けても滅竜魔法の効果を発揮できるのだろうか?
「はい!!ちゃんとこうやって・・・」
背中に背負っていたリュックを床に下ろすと、サクラちゃんはその中身をガサゴソと探し始める。しばらく待っていると、彼女は辞典のような分厚い本を取り出し、得意気にこちらへと見せてきた。
「魔法の本を買って勉強してますから!!」
どう見ても初心者向けとは思えないような難しそうな本を持っている少女に苦笑いしかできない。他の皆さんも、こんな小さな子供がこのレベルの魔法を扱えるわけないと呆れており、集まっていた人たちが離れていくのが見えた。
「それなら、適性検査でもしてみようか」
「適性検査?」
その本を見たと同時に静かにことの成り行きを見守っていた金髪の少年が割って入ってくる。彼の提案を聞いたサクラちゃんは、どういうことかわからず首を傾げていた。
「
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