憧れ
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するようになりました!!」
驚くべきことに、サクラちゃんは大魔闘演武を見るまでは魔導士になりたいなんて考えたこともなかったらしい。そもそもあの大会を見ていたのも、お姉さんの仕事の関係で偶然あそこにいたかららしい。
「感動しました!!私とあんまり変わらない身長なのに、大人たちに立ち向かっていく凛々しさ!!頭おかしいくらい強いレオンさんに怯まない勇気!!」
「頭おかしいって・・・」
目の前にいるのに気付いていないのだろうか、レオンのことをディスっていたサクラちゃん。それを聞いたレオンは自分が悪いのかと悩んでおり、頭を抱えていた。
「そして何より!!」
いきなり両手を掴み顔を近付けてくる少女。その瞬間後ろから黒いオーラを放つ竜がいたけど、彼女は気にすることなく話を続ける。
「その可愛らしい見た目!!もうフィオーレ中の女の子の尊敬の的です!!」
「へ?」
キラキラと輝いた目で彼女は俺の顔をじっと見つめている。だけど、今のって嫌な予感しかしないんだけど・・・
「ねぇ・・・それってどういうこと?」
念のため、おおよその予想はできているが確認せずにはいられない。もしかしたら俺の思い過ごしかもしれないし。
「同じ女の子として!!シリル先輩を尊敬しない人なんていません!!」
「俺は男だ!!」
案の定人の性別を間違えて覚えていたサクラちゃんに真実を告げる。もちろん俺は怒っているので何も考えずに叫んだのだが、それを聞いた少女の顔から血の気が引いていた。
「え?男の娘?」
「ちょっとイントネーション違うよ?」
彼女の男の子はなんだか悪意があるものにしか聞こえなかった。しかし、そんなことなど気にもしない彼女は、しばらく呆然と立ち尽くしたまま応答がない。
「お〜い」
顔の前で手を振り、意識を呼び起こそうとしてみる。すると、ハッと気が付いたようで、サクラちゃんはすぐに賑やかさを取り戻していた。
「えぇ!?シリル先輩男の娘なんですか!?すご〜い!!」
何がどうすごいのか色々と聞いてみたいが、これ以上騒がしくなると大変なので質問することができない。あまりのハイテンションに圧倒されていると、見かねたリオンさんが助け船を出してくれた。
「シリルを尊敬しているのはよくわかったが、それでいきなり弟子にしてほしいなんて唐突すぎじゃないか?」
彼女が元々何かを目指していて、その夢を捨ててまでやって来たわけじゃないんだけど、一時の感情で魔導士になるなんていくらなんでも厳しすぎる。魔導士はストレスも肉体的な疲労も大きいし、勢いで始めても長続きしない。そもそも俺は弟子なんて取るつもりはないから、彼女の願いを叶えることはできない。
「大丈夫です!!絶対やり遂げら
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