憧れ
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レオンが100年クエストに向かうことが決まった次の日、俺たちはギルドで雑談をしていた。
「レオンはいつぐらいにクエストに行くつもりなの?」
「さぁ・・・一週間後くらいかな?」
ジュラさんに準備が出来たらと言われたが、そもそもそこまで準備をする物もなく、一日で準備が整った。しかし、これから行くのは今まで成功者のいない100年クエスト。どれだけの期間を擁することになるのか予想ができない。もしかしたら、せっかく手に入れた食べ放題券を一度も使うことなく終わってしまうかもと危惧した彼は、ギリギリまで景品を満喫してからクエストに行こうと考えた。なので、まだまだ出発などするはずもなく、ギルドに顔を出している。
「ちゃんと出発する前の日には教えてよ」
「わかってるよ」
だけど、レオンと一緒にクエストに行くラウルは気が気じゃない。レオンは気まぐれなところがあるから、突然「今日行くぞ」なんてことになりかねない。そんなことされたら、ラウルはいざと言うときに力が発揮できなくて、彼を連れて逃げ切れないと考えているらしい。最初から逃げることを考えているあたり、ラウルらしいけどね。
「どうした?迷子か?」
「親はどうした?」
みんなで話をしていると、ギルドの出入り口のところからリオンさんとユウカさんが誰かと話していることに気付く。耳のいい俺とウェンディはそちらを向いて誰と話しているのかを見てみると、俺たちぐらいの女の子が立っていた。
「誰かな?あの子」
「シェリア、知ってる?」
滅竜魔導士である俺たちには聞こえていたけど、シェリアたちには聞こえてなかったらしく、ウェンディに言われて扉の方に顔を向けるシェリアとレオン。
「え?誰だろ、あの子」
「初めて見た子だな」
ギルドに入って日が浅い俺たちには見覚えがないだけかと思っていたら、レオンたちもその少女のことを知らないらしい。となるとあの子は、一体何者なんだろうか?
「会いたい人がいるんです」
「会いたい?誰にだ?」
彼女が気になってそっちに耳を傾けていると、少女はどうやら探している人がいるらしく、蛇姫の鱗へやって来たらしい。
「シリル・アデナウアーさんっていますか?」
「「「「「!!」」」」」
その子が探しているのは、なんと俺だった。でも、あの子の記憶が一切ない。なのに俺を探しているって・・・どういうこと?
「シリル!!ちょっと来てくれ!!」
「は・・・はい!!!!」
とりあえずなぜ自分が呼ばれたのか確認するために少女の元へと向かってみる。後ろからウェンデたちも何食わぬ顔で付いてきているが、気にすることはないだろう。
(あれ?この子誰かに似ているような・・・)
薄い桃色の髪を
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