暁 〜小説投稿サイト〜
テキはトモダチ
22. 遊びに来た理由 〜電〜
[7/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
あります!!」

 鳳翔さんは一度歩みを止め、こちらに背中を見せたまま右腕の力こぶを見せると、再びノッシノッシと食堂に向かって歩いていった。

「……だそうだ。ではその話、間宮でクリームあんみつを食べながらゆっくりと」
「承知した」

 はわわわわわわ……なんだかすごいことになってきたのです……どうやら私達が間に入ることで、深海棲艦さんたちとの戦争が終わることになるかも知れない……。

 だけどこの場には約一名、そんな結末を望んでいない人がいる。この状況に全然着いてこれなくて、頭が混乱するばかりの人がいる。

「い、い、一体これは! 何の騒ぎだッ!!」

 親密な雰囲気を漂わせてる司令官さんと戦艦棲姫さんの間に、中将さんが割り込んできた。相変わらず寂しい頭に青筋が浮き出そうなほど真っ赤な顔をして、司令官さんと戦艦棲姫さんにくってかかっていた。

「貴様! なぜ敵と平然と話をするッ!? 許可した覚えはないぞ!?」
「……提督、この男は何者だ? 貴君の上官か?」
「ただのクソですからお気になさらず。それでは間宮の方へ……」
「私はこの男の上官だ!! 話し合い? お互いのため? 冗談ではない!! 貴様ら人類の敵と話し合いなぞ出来るかッ!!」

 自分のことを平然と『ただのクソ』と言い切った司令官さんを押しのけ、中将さんは戦艦棲姫さんの前に立った。よほど司令官さんからのクソ扱いが腹に据えかねたらしい。もっとも、誰だってクソ扱いされればイヤなものだけど。

 中将さんに押しのけられた司令官さんは体勢を崩してよろめいたものの、すぐにゆらりと姿勢を正した。この雰囲気は、さっき逆光の中で中将さんに言い寄っていた司令官さんだ。司令官さんはゆらっとした感じでゆっくりと中将さんに近づき、死んだ魚の目のまま、静かに話し始めていた。

「クソ殿。さっきの話の続きをしましょうよ」
「あン!?」
「永田町で轟沈した子の人数、覚えてます?」
「轟沈した者の数など覚えとるわけがなかろう!」
「では今までクソ殿が保護したり司令部から斡旋されたりした子の人数は?」
「覚えとるわけが……」
「では解体した子の数は?」
「それこそ覚えてるわけがないわ!!!」
「名取。仙台」
「?」
「熊野。戸塚」
「……!?」

 ? 目に見えて中将さんがうろたえ始めた。今まで真っ赤っ赤だった顔が突然真っ青になって、冷や汗をだらだらと垂らし始めてる……司令官さんは何を言ってるんだろう?

「綾波と敷波。燕三条。榛名。四条大宮」
「……ま、待て」
「祥鳳と瑞鳳。米原」
「なぜお前が知っている……?」
「そんなことはどうでもいい。朝潮と伊401。小樽築港……」
「やめろ……やめろッ!!!」

 死んだ魚の眼差しのまま、淡々と何か
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ