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テキはトモダチ
22. 遊びに来た理由 〜電〜
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いなのです!」
「一緒に食べよう!」
「はいなのです!!」

 でもそんな心配しなくていいや。久しぶりに集積地さんとクリームあんみつを食べられる……それが一番大切なことだ。

「ぉおー……これはまたにぎやかな……」
「こ……これは何事だッ!!?」

 唐突に男の人の声が聞こえた。この声の主は司令官さんと中将さんだ。二人をはじめ、赤城さんとロドニーさん、大淀さんと天龍さんも演習場まで足を運んだようだ。

「ぉお! 貴君は……!!」
「あら、戦艦棲姫さんじゃないの。ご無沙汰」

 戦艦棲姫さんの姿を見つけた司令官さんは、いつもの足取りでトコトコとこちらに歩いてきた。埠頭のそばまで来た司令官さんは戦艦棲姫さんにぺこりと頭を下げた後、腰を下ろして私と集積地さんの方を笑顔で見てきた。死んだ魚みたいな眼差しはなりをひそめ、瞳が輝いているように見えた。私たちを見る司令官さんの今の眼差しは、本当に優しい。

「集積地。……おかえり」
「提督ただいま! 遊びに来たぞ!」
「うんうん。電、お前さんのことずっと待ってたからなぁ。……よかったな、電」
「「えへへ〜」」
「うんうん」

 私と集積地さんの気持ち悪いにやけ顔を堪能した司令官さんは再び立ち上がり、わたしたちのそばに立っている戦艦棲姫さんと固い握手をしていた。

「ようこそ俺の鎮守府へ。当方は貴君たちの来訪を歓迎する」
「ありがとう。この鎮守府の冷やしおしるこに誘われてきた。本日はマミヤのクリームあんみつとホウショウの絶品ごはん、そして明日は件の冷やしおしるこを堪能させていただく」
「承知した。うちの飯を堪能してちょうだいよ。鳳翔の腕は神レベルだから何だってうまいよ?」
「そう聞いている。楽しみだ……!!」

 司令官さんの言葉を受けた集積地さんは、微笑んだまま目を閉じて、ブルッと身震いしていた。これから間宮さんのクリームあんみつと鳳翔さんの晩ご飯の事を想像して、気持ちがはやっているようだ。なんだ。深海棲艦さんも私達と変わらないじゃないか。

 でも、どうやら戦艦棲姫さん……深海棲艦さんたちみんながここにやってきた理由は、食事だけではないようだった。

「ついては……提督」
「はいはい?」
「マミヤでクリームあんみつを食べるときは、貴君をはじめとしたこの鎮守府の皆にも同席していただきたい」
「それは別にかまわんけど、どうして?」
「……この鎮守府の皆は、集積地とPT子鬼たちに実に良くしてくれたそうだな」
「まぁ……自然に仲良くなっただけみたいだけどね。俺も感謝してるよ。集積地とPT子鬼たちは、うちの子たちのいい友達になってくれた」
「……先日の戦闘のこともあって貴君たちに対し猜疑的な私たちを、集積地は熱心に粘り強く説得してきた」
 戦艦棲姫さん
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