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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#24
METEOR STORMV 〜Another Heaven〜
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っていただろう。
 それが一番合理的であるし、
情に流され戦力を目減りさせるのは馬鹿げているから。
 そう、一笑に付する事すらせず、立ち去っていたに違いない。
“昨日までの自分なら” 
「……アナタが立ち上がれるまで、傍にいましょう。
傷の手当てもしなければ、今後に差し支えるのであります」
 細めた視線のまま、ヴィルヘルミナはそう告げた。
 こんな時、どんな顔をすればいいのか解らない。
 微笑めばいいのか、憂えばいいのか、
誰も、誰も教えてくれなかった。
 だからせめて、心だけは素直でいようと想った。
 自分の為に血を流してくれた、勇敢で誇り高き騎士を、
ただ労ってあげたかった。
「あちこち破壊されてはおりますが、
救急の用具を探してくるのであります。
しばしお待ちを」
「え!? あぁ!! ちょっ、待って!!」
「?」
 急に重みをなくしたポルナレフの口調に、
踵を戻したヴィルヘルミナは膝を曲げて屈み込む。
「どうしたので、ありますか? 
眩暈、吐き気、悪寒などがするのでありますか?」
 重度の出血、臓器に損傷などが有る場合、上記の症状が現れる場合が多い。
「う、うおっ!? うおおおおおぉぉぉぉぉ!!」
 体温を確かめるべく額に手を当てたヴィルヘルミナの素肌は、
急激に膨れあがる異常な高熱を感知した。
「て、 『天国』 が……いま、此処に、生きてて、良かった……ッ!」
 紅潮した顔に何故か涙を滲ませ、
感慨無量に身を震わせながらポルナレフは拳をグッと握る。
 甚大なるダメージの影響で意識が混濁、幻覚の症状が出ているのか?
 それにしては眼球の動きは確かで視点も彷徨わず一点を凝視…………
「――ッッ!!」
 咄嗟に立ち上がったヴィルヘルミナは、
履き慣れない短いスカートを最速で押さえた。
 バレた、とシルクの紐というまるで関連のない言葉が脳内でシャッフルされ、
もう無駄なのにスタンド使いの本能か必死の自己弁護を試みる。
「イ、イヤ! 違う! 偶然ッ! 不可抗力だ!! 
角度的に眼に入っちまって、
後はミロのヴィーナスを視るように心が奪わぐげおぁッッ!!」
 とある格闘技に於いては最強と云われる、
下段の踏み付け蹴りが情け容赦なく胸元に撃ち落とされた。
 先刻までのスタンドにも劣らない、直下型の質量衝突。
 しかもソレは地球創成時の流星嵐のように、
次から次へと撃ち落とされる。
「う、うおおおおぉぉぉ!! ヤ、ヤベェ!! 
死ぬ!! 死ぬ!! マジで!!」
「本当に!! 一遍(いっぺん)!! 死んだ方が良いのであります!!
亀にでも生まれ変わって出直すのでありますッッ!!」
「断・頭!!」   
 スタンド 『サバイバー』 の余波というのでもなかろうが、
古の
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