第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#24
METEOR STORMV 〜Another Heaven〜
[5/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
るかどうかは疑問だが)
「さぁ〜て、お待ちかねのお星様がヤってきたわ。
最後のお願い、精一杯祈るのね? 最も、叶わないんだケド」
穿孔から封絶の先まで見通せる細い視界、
破壊痕とソコへ全く同じ軌道で落下してくる二つのキラメキが在った。
「カワイソーだけど、このキレイな顔と柔らかい胸、
両方に隕石をブチ込ませて貰うわ。
フレイムヘイズっていっても元は人間、
脳と心臓が同時に破壊されたら流石に死ぬでしょ」
そう言って少女は手の甲でヴィルヘルミナの頬を撫ぜ、
形の良い胸下の曲線を肘で押す。
もうこうなっては他にどうしようもない、完全封殺状態。
強いて打開策を挙げるなら、リボンを細い “糸状” に変化させ
鼓膜を破るなり頭蓋を掻き回すなりするべきだが
彼女にそのような 「能力」 はない(それ以前に今はリボン自体が出せない)
「――ッ!」
窮地に於ける生還の模索、淑女がポルナレフを見たのは意識か無意識か、
しかしその彼も今一方的にスタンドの攻撃を喰らっており、手助けは出来ない。
(オワ、リ?)
破壊痕から大気の摩擦で赤熱する二つの岩塊を見据えるのは、
意外にも絶対的な死を前にしてソレを冷静に認識している自分の姿だった。
彼女にとって未知の領域であるスタンドバトル、
昨日より何度もその脅威を目の当たりにし、
死線の境界を彷徨った事により感覚が麻痺していたと云っても良い。
何しろ、今までの戦闘定跡が何の役にも立たない、
「初見」 では対応出来ない能力ばかりだったのだから
(大気圏外から隕石を落下させる異能など誰が想像出来る?)
それ故に半ば冗談のような気持ち、
現実感を喪失していた彼女を誰も責められない、
良くも悪くもフレイムヘイズである時間が長過ぎ、
そのコトに純化し過ぎていたのだから。
しか、し。
(――ッ!?)
ふと、透明な雫が頬を伝った。
ヴィルヘルミナ自身、予想だにし得ない感情の動きだった。
(どうして、泣いてるの? 私、どうして?)
頭蓋と臓腑を焼き尽くす、灼熱の岩塊がすぐ傍にまで迫っている、
にもかかわらず胸中には冷たい風が吹き続けた。
(コワイ? カナシイ? ムナシイ?)
否、違う、コレは、きっと。
“サミシイ”
逃れられない破局を目の前に、浮かんだ言葉が心奥で実感となった。
使命を果たせない事、倒すべき敵に敗れる事、その何れでもない、
ただ、 “皆” と離ればなれになる事が、堪らなく淋しかった。
“あの時” と “アノ時” と同じだから、愛されていなくても、
その瞳に映っていなくても、自分は愛していたから、愛したかったから。
脳裡に、出逢って間もない者達の姿が浮か
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ