先恋〜別れ??〜
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った。
「じゃあ、熱、計りましょうかね、」
沙奈は頷き、体温計を陸太から受け取る。
音が鳴り、其れを見る…と、
「…9°C近くありますね…、絶対安静です。」
陸太は人差し指を立て、そう言った。沙奈は、「う〜…」と頬を膨らませ、「…はい」と小さく返事をした。
「じゃあ、良い子で寝ててくださいね?」
「ど、何処か行くの?」
「いいえ、行きませんよ?」
「そっか、なら…良かった、」
そう言い、また沙奈はへにゃっと笑う。陸太は愛おしそうに微笑み、沙奈の頭を撫でる。
「此処にいますから、安心して寝て下さい」
「うん…」
沙奈はそっと目を閉じ、少しして、すぐに眠ってしまった。
「本当に愛しいです、大好きですよ、沙奈さん…」
陸太はそう言い、沙奈の頬にキスをした。そして、沙奈の寝顔を見ているうちに、其れにつられるように、眠ってしまった_____。
『陸太君っ!』
(…ん?沙奈さん?)
沙奈の声が聞こえる。陸太が声のする方を振り向くと、沙奈が立っていた。
(風邪は?大丈夫ですか?)
『うん、大丈夫』
沙奈はそう言い、微笑んでいる。
『風邪は…大丈夫なんだけど…』
そう言った沙奈の背後から、真っ暗な煙のようなものが、沙奈を包む。
『…もう、終わりかもしれない、』
(沙奈さん??)
陸太が沙奈の方へ走る。一向に近づけない。前に進めない。煙が沙奈を消そうとする。
(沙奈さん!沙奈さん??)
『…ありがとう…陸太君……』
(沙奈さん!)
沙奈が見えなくなり、真っ暗な世界、陸太は一人、沙奈を探す…が、何処にもいない。
(沙奈さん!沙奈さん??何処に…っ!沙奈さん??居るんでしょう??沙奈さん!さ…なっ!沙奈ぁぁぁぁぁぁっっ????)
目を開けると、沙奈の驚いた顔があった。
「り、陸太君??」
陸太の目からは、涙が溢れていた。
「ゆ、夢…か、沙奈さんと離れるなんて…馬鹿みた………」
「“沙奈さん”…だと?」
陸太が急いで声の方を見る…と、
「…大切な連絡があって来たら…生徒の靴があって、中に入ってみれば…」
それは、副担任の、神澤 明弘だった。
「…ごめんね、陸太君…バレちゃった…」
「…そん…な…」
「……もう、一緒には、居られない…」
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