483部分:第六十八話 魔界の戦士達その一
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第六十八話 魔界の戦士達その一
魔界の戦士達
シドニーからオーストラリア中央部に向かうアイオリア達。その道はかなり長くキャンピングカーの中ではいささか暇も持て余していた。
「そういえばこのキャンピングカーって」
「あれじゃね?」
「何か中近東行った連中もキャンピングカーだったっていうしな」
青銅の者達はポーカーに興じていた。それぞれテーブルを囲んでそのうえでカード遊びをしている。それを楽しみながら話をしているのである。
「これも同じタイプかな」
「そうじゃねえのか?やっぱり」
「まあ実際のところはわからないけれどな」
「いや、違う」
だがそれは違うと。彼等の横で本を読んでいたダイダロスが答えるのだった。
「アルデバラン様達のキャンピングカーとこのキャンピングカーはまた違うタイプだ」
「あっ、そうなんだ」
「違うのか」
「そうだ。あれは日本製だったがこれはドイツ製だ」
まず造っている国が違うというのである。
「そこが違う」
「ドイツか」
「あそこなんだ」
「そうだ。意外か?」
こう青銅の者達に問うダイダロスだった。
「それは」
「いや、それは別に」
「感じてないけれどな」
「なあ」
そうしたことは別に思っていない青銅の者達だった。それはアイオリアも同じでそれを聞いても特に何かを思っている様子はなかった。
「特にな」
「そういうのはな」
「そうか。それはないのだな」
「俺も日本製の車は好きだがな」
アイオリアはここでふと言った。
「聖域の黄金聖闘士が乗る車はどれも日本製だからな」
「ああ、そうですよね」
「グラード財団が寄付してくれてるんですよね」
「聖域の車のかなりの部分が」
「そうだ」
こう答えるアイオリアだった。
「グラード財団には他のことにおいても世話になっているがな」
「車っていうとグラード自動車ですね」
「確か日本でも有数の自動車メーカーですよね」
「かなりいい車を作っているらしいですね」
こう一同に話すアイオリアだった。
「そこからの寄付だったんですか」
「いい車だとは思ってましたけれど」
「運転するのは我々ではないがな」
このことも言い加えるアイオリアだった。
「宮にいる者達が運転してくれている」
「それでも日本の車ですか」
「いいですね」
「乗り心地はかなりいい」
アイオリアの話は彼以外の者が言えば自慢になるものだった。しかしそうはならないのはやはりアイオリアが話しているからであった。
彼には嫌味がない。そして暗いものもない。これがアイオリアという男だった。
そして彼はさらに話すのだった。
「噂以上の車ですか」
「そんなにいいんですか」
「そうだ。御前達は乗ってい
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