第2章 第3話 王都への進行
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崩し、膝を強打した。ルイスも腐っても鬼であるのが、これは普通なら少なくとも骨は折れている怪我をして当然だろう。
ただ、そのまま着地した事には意味がある。
「流石に起きてたら見つかるだろうな…」
魔法で村全域に気絶させるためだった。いくら外套を被っているとはいえ見つからないとは限らないからだ。
「とにかく早いところ済ませないと」
わざわざここに降りた理由、一つだけ
「病…の…なんて言えばいいんだろうか…感覚?気配?…いや…匂いかな?」
そのせいだった。それに惹きつけられるようにその家に着いた。
普通の家だった。そのまま家の中を進んでいくと扉が半開きになっている所を見つけた。そこを覗くとそこが当たりだった。
「この子か…」
その部屋には寝台と机があるだけの簡素な部屋だった。寝台には女の子が、その寝台の隣に座っていて気絶しているのがその子の母親なのだろう。
「…僕にできるのはこのくらいだから…顔も見せれないでごめんね」
そう呟いて女の子の額に触れると、淡い黄色の光が放たれた。それが徐々に青、そして赤へと変わった。それが取り除かれた合図だった。
「これからは気をつけてね…」
誰にも届かない呟きを漏らしてその場を去った。
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馬車が村を抜けて少しした後、ルイスが戻ってきた。
「何してたんだよ?」
「別に…ただの、お礼参りかな」
口元に笑みを浮かべ窓を見ながら答えた。
「何すかしてんだか」
そして数時間が過ぎメリーとマリーが眠りについた。
「お前は寝なくていいのか?まだ結構時間あるぞ」
「まあ、何があるかわからないからね」
「いつまで警戒すんだよ。俺は別にお前をどうこうしようとか、ましてやその子達をどうこうしようとか思ってねぇし、思ってたらこんな悠長に構えてねぇよ」
「別に僕はお前とは一言も言っていない」
「目がそうだって言ってんだよ。その目、小動物っぽさがありながらその奥にある肉食獣みたいなその目」
「的確だな」
「自覚ありかよ、流石は鬼だよ」
2人とも気を遣ってか、自然と小さな声での会話になっている。コントじみた事はしているが…
「お前は僕を…いや、鬼をどう思ってる?」
「なんだよ藪から棒に」
「鬼はこの世界にとって敵だ。その自覚は僕にだってある、ただ、ここまで僕と接しているお前はどう思ってるかを知りたいだけだ」
「鬼ねぇ…別に俺が被害被った理由でもねぇしなぁ…だからといってこんな奴を野放しにする訳にもいかねぇしな…別に何とも思ってねぇな、友好的でも、否定的でもねぇ、どっち付かずなんだよ俺は」
「…珍しいな」
「考
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