人形-マリオネット-part4/復活のファウスト
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トを焦らせるには十分だった。
「やめろ…!あいつは…あいつは!」
あいつはハルナなんだぞ。サイトがそう叫びそうになったときだった。
「サイト君」
「じ、ジュリオ!?なんでここに!?」
ちょうどジュリオが、サイトを見つけて彼の元に走りよってきた。
「皆で君を探しに来たんだ。このあたりはもう、黒い巨人と怪獣の戦闘で十分すぎる危険区域だからね」
それよりも、とジュリオはサイトを見て言う。
「どうして変身しないんだ?確かあの黒い巨人は、君たちの敵だって聞いていたんだけど」
この世界で起きたこと、その際にサイトがウルトラマンとして相対した敵の中でもファウストは特に警戒すべき敵。
これほどの相手だ、サイトもまたゴモラの援護のために出向かなければならないはずだ。
「……く」
サイトは手の中にウルトラゼロアイを握ったままだ。だがそれを装着しようとしない。それをすることを明らかに躊躇っている。
「どうしたんだサイト君。何を迷っているんだ?」
ジュリオは、ファウストがその倒さなければならない敵であることはサイトとてわかっているはずなのに、なぜ躊躇うのか疑問を感じる。
その理由を、サイトに代わってゼロがムサシにテレパシーで伝えた。
『ファウストの正体は、ハルナだったんだ』
「…そうか、彼女が…」
さすがのジュリオも、ファウストの正体がハルナであることは予想外だったようだ。
「じゃあ今までのハルナ君は、彼女を演じたファウストってことなのか?」
ジュリオは、ハルナがファウストだと知り、もしかしたら狡猾にもサイトのクラスメートだった頃の彼女をファウストが演じることで、疑われることなくサイトやルイズたちに近づいたのかと勘ぐる。
「いや、それは違うな」
それに否定を入れたのは意外なことに、サイトの背に背負われていたデルフだった。
「あのハルナって娘っ子…黒い巨人としての力を与えられただけじゃねぇな。
どうやら魔法がかけられている。それもかり特殊な魔法だ」
『魔法?どういうことだデルフ。そんな魔法があるのか?』
ゼロからの問いに対してもデルフは頷いた。
「ある。一種の催眠魔法だ。あれで黒い巨人を何者かがコントロールしている。あの娘っ子は大人しい性格だろ?黒い巨人の力を与えられてもうまく動いてくれないのを見越して、術者が仕向けてるって話かもな」
「なんだよそれ…!」
それを聞いたサイトは、デルフの言う術者への怒りを募らせる。これまでファウストが行って来たことは、この術者の卑劣な魔法によるものなのか。無理矢理ハルナをファウストとして動かして災いを振り撒くために!
「ふざけやがって!術者はどこだ!見つけ出してぶん殴ってやる!」
「サイト君、落ち着くんだ。この街から術者を探すなんていうのは簡単なことじゃないだろう」
すぐにデルフの言った
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