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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第72話:絵の価値は買う側が決めるべきじゃね?
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てみたいよ」
俺の事は完璧に格好良く描かれてるし、これが完成形でも良くね?
「どう、グランバニアの宮廷画家になってみない? 学生のうちは学業に専念してもらわないと困るけど、片手間で宮廷画家として働いてみない?」
マジでかリュカさん!? ピクトルさんを雇ってくれるの?
「い、良いんですか私で!?」
「うん、良いんだよ君で。でも給料は安いよ。基本給が1500
G
(
ゴールド
)
……画材道具等は経費で請求して構わないけど、僕が描いて欲しくなった絵は、最優先で描き上げてもらう。勿論、描き上げた絵はその都度買い取るから、良い絵を描き続ければお金は貯まると思うんだ」
「それと……宮廷画家には専用の創作部屋を与えるよ」
リュカさんが如何いうつもりでピクトルさんを雇ってくれるのかは不明だけど、これを機会に逢い引き出来る場所(それも近場)を確保しておきたかったので、勝手に部屋を与える事を決定する。
「い、い、い、良いんですか、そんなにまでしてもらって!?」
「良いよ。いっぱい部屋が余ってるから」
マジでか!? 勝手に言っちゃった事なのに、リュカさんも簡単に了承してくれた!
「良いなぁ〜ピクちゃん。私も宮廷画家になりた〜い?」
ピクトルさんの隣では人一倍俺に馴れ馴れしく話しかけてきたサビーネことエウカリス・クラッシーヴィが、甘えた声で羨ましがる。……つーかコイツ、ピクトルさんの事を『ピクちゃん』って呼んでるのか? 羨ましいなぁ……
「あれぇ? 何処かで見た事ある女の子だねぇ、君……何処でベッドインした仲だっけ?」
「ベッドインは未だで〜すぅ。未来は分からないけど?」
「お前じゃ無理だ、貧乳キャバ嬢。このオッサンは巨乳好きだ!」
「ああ、キャバ嬢だ! そうだそうだ、前にキャバクラで会ったんだった」
まるで今思い出したように振る舞うリュカさん。
一度出会った女性の事は死んでも忘れない男なのに……如何いう事だ?
「あれぇ? 私の事を憶えててくれたから、この部屋で写生会を始めたんじゃないんですか?」
「ううん、違う。隣の
娘
(
こ
)
のオッパイ大きかったから、この部屋に吸い込まれちゃっただけ。……そう言えば名前は何だっけ? 宮廷画家になってもらうのに、名前を聞き忘れてたよ」
あ、拙い……このオッサン、ピクトルさん目当てでこの部屋を選び、彼女の事を宮廷画家にする為に、彼女のサイン入りの絵を選んできやがった。
火縄銃騒動の仕返しに、隠し愛人(※通常愛人は隠す)を近場に置いて、ラブコメ祭りで大炎上させようと画策してやがる!
ヤヴァい……それなのに創作部屋を与えるなんて言い出して、飛んで火に入る夏の虫状態な事をしてしまった!!
しまったぁぁぁ……
城内で安易に合い挽きしようなんて愚かな考えだった!
くっそ
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