暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第四章 タルブでの戦い
青き少女の因縁
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交互に魔法を出してお互いの隙をカバーし合っているのだ。

(何だ、楽勝じゃない。)

 と、キュルケは余裕の笑みを浮かべた。先ほどから敵はこのドットスペルの魔法しか打ってこない。威力の面から考えても、どうやら元から大した実力ではないのだろう。こうして敵さんが疲れるまで迎撃を続け、隙が出来たところですかさず反撃、これでケリが付くだろうと思っていた。だが―――

「今だっ!」

 敵メイジが叫んだ。すると、二人の足もとが突然盛り上がった。咄嗟に二人がその場を飛び退くと、

『グオオオオオッ!』

そこにはキュルケたちよりも一回り大きく、どことなく不格好なゴーレムが現れた。

(しまった、囮!?)

 タバサはメイジ三人しか補足出来なかったが、実際は四人目のメイジが伏兵として隠れていたのだろう。気配がバレバレなメイジがこちらの気を逸らし、その隙にゴーレムで奇襲を仕掛ける、といった具合か。
 ところで先ほどの声、どこか聞き覚えがあるのだが・・・と感じつつも、

「っ!舐めるんじゃないわよ!」

 キュルケはゴーレムに特大のファイヤーボールを放つ。これが奴らの狙い目だとしたら、先ほどまでのような半端な威力では倒せないだろう。

『キ、ガガガが・・・』

 炎の玉を喰らったゴーレムは暫くは耐え忍んだが、やがて火の威力に押し負けたのかボロボロと崩れ落ちていった。

(やった!)

 キュルケが歓喜を示した瞬間


 ゾワッ
「っ!?」



 背後からとてつもない殺気を感じた。と同時に、何者かが猛スピードで接近してくる。

(しまった!こっち(ゴーレム)も囮!?)

 まさか二重の(トラップ)を仕掛けてくるとは・・・!キュルケは咄嗟に対処しようとするが間に合わない。そこへタバサが素早く両者の間に割って入った。

「『エア・ハンマー』!」

 既に詠唱は完了していたらしく、圧縮した空気の槌を相手に放つ。

「デル!」
「応よ!」

 敵の声が聞こえた。今度はもっと聞き覚えのある声。というかこれは・・・とキュルケが一瞬気を逸らした瞬間、

「!?」
「嘘!?」

 タバサの魔法が突如消えた。いや、これは吸収された(・・・・・)といったところか。敵にそんな武器が備わっているとは完全に想定外だった。

「っ!タバ「動くな」

 いつの間にか距離を詰められたのか、目の前まで来た敵はタバサの首元に剣先を当てていた。相手の重い声と気迫に二人は動けなくなる。

(あら、でもこの声って・・・)

 暗い上にフードを深く被ってるため、顔をはっきりと確認出来ないが、間違いなくキュルケは相手の男を知っている。彼女の思いを他所に、相手はこちらに気付かないのか警告を続け
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