暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第四章 タルブでの戦い
青き少女の因縁
[7/9]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
に行くわ。」
キュルケもついて行くと言い出したことだった。
あれ?つい最近も同じ光景を見たような、と思いつつ今度はタバサも難色を示した。下手をしたら命に関わるかもしれないのだ。
だが、それでもキュルケは強引に行くと譲らなかった。
「一宿一飯の恩義って奴よ。それに―――」
一人より二人でしょ。
この言葉に、結局タバサはコクンと頷いてみせたのであった。
また、このやり取りの陰で、ペルスランがこっそり涙を拭いていたことに二人は気付かなかった。
場所はトリスタニアとガリアの間にある『ラグドリアン湖』であった。水の精霊が住むと言われるこの湖だが、最近日に日に水嵩が増していきとうとう近隣の村にまで及んできたらしい。で、事の原因である水の精霊を退治せよというのが今回の任務である。
昼頃には湖に到着した二人だが、人気が無くなる夜まで待つことにした。この辺りの住民には避難命令が出ているが、万が一精霊と戦う時になって一般人を巻き込まないようにするためである。
やがて日も傾き、辺りが暗闇に包まれる。明かりとなるのは月だけであり、近くなら兎も角、少し距離が離れると途端に見えにくくなる暗さだ。
「さあて、そろそろかしらね!」
座っていたキュルケが立ち上がり、湖に一歩踏み出した時だった。タバサが無言でキュルケの前に杖を出し、待ったをかけた。
「・・・」
「タバサ?」
「・・・誰か来る。」
「!」
残念ながら実践経験は少ないキュルケは存在を確認することは出来ない。だが、今はこの相棒を信頼することに決めた。
「数はどのくらいかしら?」
「・・・一人近づいてくる。更に奥に二人いる。多分三人ともメイジ。」
「もうこっちに気が付いているのかしら。」
タバサは無言で頷いた。まあまあの手練れってとこかしらね。と、キュルケは推測する。どうやら対精霊より先にメイジ同士の戦いになりそうだ。向こうの目的は分からないが、今のキュルケたちにとっては邪魔者でしかない。早々にお引き取り願おう。
やがてキュルケにも何となく敵の存在が分かるようになってきた。遠くの二人は動く気配がない。まずはこの一人に集中しよう。
二人は着ていたコートのフードを目深に被って敵の動きを待つ。既に向こうもこちらに感付いているのだ。今更隠れる必要もない。
と、次の瞬間敵メイジが詠唱と共に魔法を放った。地面が盛り上がり、巨大な触手のようなものが二人に襲い掛かる。
『アース・ハンド』、土系統のドットスペルだ。正直言って大したことはなさそうだ。タバサが風魔法で迎撃し、触手を破壊する。
敵は負けじと次々にアース・ハンドを放つが、二人に命中させることが出来ない。本来魔法を放てば、少なからず隙が生まれてしまうのだが、二人が
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ