暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第四章 タルブでの戦い
青き少女の因縁
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と老人らしい優しい笑顔で応えた。
「それにしても、シャルロットお嬢様がご友人をお連れするなど初めてでございますな。」
「・・・『シャルロット』があの子の本当の名前なのね。」
キュルケの呟きにペルスランは「は?」とキョトンとした顔になった。
「あの子、学院ではタバサって名乗っているの。それで、名前以外自分のことは誰にも話したことがないのよ。」
「そうですか。お嬢様がタバサと・・・。」
タバサという名前に心当たりがあるのだろうか。ペルスランはどこか感慨深げに呟いた。
そして、徐に壁に立てかけてある一枚の大きな絵に目を向ける。そこにはタバサと同じ青い髪をもつ一人男性が描かれていた。
「あの方は?」
「お嬢様の御父上であります、シャルル・オルレアン公であらせられます。」
「オルレアン公・・・じゃあやっぱり、タバサは王族の子なのね。」
キュルケの言葉にペルスランは重々しく頷いた。
「『タバサ』というのはお嬢様が奥様から頂いたお人形に付けた名前。お嬢様の本当の名は、『シャルロット・エレーヌ・オルレアン』と申します。」
「さっさと出ていけ!!」
屋敷のとある一室に怒号が響き渡る。
声を上げたのは青い髪をもつ女性であった。目はやや血走り、頬も痩せこけてしまっているが、髪の色といい顔立ちはどことなくタバサに似ていた。
「王家の、王家の回し者めっ!!私の大事な娘にまで手を出そうっていうの!?」
と、女は持っていた
人形
(
・・
)
を庇うように抱きしめた。
「私たちは静かに暮らしていたいだけなのに・・・。誰が王の座を狙うなどと・・・。」
人形を娘のように愛おしそうに撫でながら、女性は目の前の無礼者を敵意をもって睨み付けた。
「さあ早く、早く出てってちょうだい!!この娘は・・・『シャルロット』は誰にも渡さないわ!!」
母のそんな様子にタバサはただ言葉を返す。
「・・・また会いに参ります、母様。」
優しく、愛おしく、そして今にも崩れてしまいそうな微笑みを浮かべながら。
「はぁ・・・」
その日の夜。寝室にてキュルケはため息をついた。視線の先にはベッドの上でスヤスヤと眠るタバサの姿。ため息の原因は彼女にあった。
『ツェルプストー様を信じ、お話しましょう。お嬢様のことを、お嬢様の今の境遇を。』
あの後、ペルスランからいろいろなことを聞かされた。
タバサの父、シャルルは現ガリア王ジョゼフの弟であり、魔法の才においてはジョゼフを凌ぐほどとされていた。
先代の王が無くなってから、次にどちらが王に相応しいかで宮廷が派閥争いを始めた。
そしてその中で、シャルルは暗殺された
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