21. お客さん 〜電〜
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司令官さんに元気づけられて翌日。私が一人でお昼ご飯を食べていると……
「電さん」
「ご一緒してよろしいか?」
と赤城さんとロドニーさんの二人がやってきた。
「はいなのです」
「では失礼する」
「隣、失礼しますね」
「どうぞなのです」
二人が手に持ったお盆には、お昼ごはんのメニューのお味噌汁と豚肉の生姜焼きがのっかっていて、赤城さんもロドニーさんもおのおのの席にお盆を置いていた。
「では……」
「いや、私が行こう」
「ではお願いします」
ロドニーさんは自身のお盆をテーブルの上に置くと、そのままもう一度台所の方に消えていた。
「ロドニーさんはどうしたのです?」
「お櫃を取りに行きました」
私の質問に対し、赤城さんが台所の方を指差した。指差したその先には、二つのお櫃をそれぞれの手で運ぶ、戦艦というには若干小柄な気がするロドニーさんがたくましく立っていた。
「あんなに食べるのです……?」
「ええ。まぁ」
そのたくましい両腕でお櫃を運んできたロドニーさんは、そのまま私たちのテーブルまで力強く歩いてくると、『ふんッ』という掛け声とともにお櫃二つをテーブルの上に置き、そのまま席についていた。
「では……」
「いただきましょうか」
声を合わせて『いただきます』と言った二人は、お味噌汁でホッと一息ついたあと、実に美味しそうにご飯を食べ始め、生姜焼きに舌鼓をうっていた。
「もぐもぐ……イナズマ」
「はいなのです。もぐもぐ……」
「ポークジンジャー食べてる時って、なんでポテトサラダが美味しいんだろうな……お前は理由を知ってるか? もぐもぐ……」
「電にはさっぱり分からないのですけど、それには同意なのです。もぐもぐ……」
「アカギはどうだ?」
「私もさっぱりですね。もぐもぐ……」
こんな他愛無い会話が出来るぐらいにロドニーさんと仲良くなれたことは私もうれしい。このままロドニーさんともっと仲良くなれれば……そんなことを考えながらポテトサラダを口に運んだ。
「まぁいいか。ポークジンジャーは美味しい」
「はいなのです」
「こればかりはビッグセブンでも勝てん」
「一航戦でも無理ですね」
そんな風に中身の無い会話を楽しみながら生姜焼きとポテトサラダを楽しんだ私達。空になったお櫃が6個を数えた時の事だった。ロドニーさんがぽそっと言った。
「今日このあと、中将が来るな」
その話は司令官さんから聞いている。なんでもロドニーさんの報告に逆上した中将さんが、私達が作戦を失敗したことへの責任追及に来るんだとか。
「私ももうお役御免だ。お前たちと食事を楽しむのも、これが最後になるだろう」
「いいですね。今日はおめでたい日です。今後はあなた
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