21. お客さん 〜電〜
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んだ魚の目をしているという事実……ドアを開いた時の天龍さんと天龍二世さんのスゴミ ……そして。
――……握手してくれるか?
私の手に残る、集積地さんの手の温かさ。……この執務室にあるすべての要素が、私の恐怖を沈めてくれた。
「ああ、これは失礼いたしました。私としたことが、とんだご無礼を働いてしまいまして……」
「フンッ……今更おべっかを使っても遅いわ」
「私ともあろう者が……ついいつもの癖で『中将閣下』などと呼んでしまい……失礼いたしましたノムラ・クソ・マンゾウ殿。キリッ」
「……よほど怒りを買いたいのか……それともただの負け惜しみか……!!」
「どちらでもございませんよクソ殿」
頭髪が薄い中将さんの額に青筋が見えるのではないかと思うほどの、司令官さんの挑発。そんなに挑発していても死んだ魚の目をしているということは、きっと司令官さんには切り札があるのだろう。
「二度の命令違反……一度目は作戦目標の保護と治療……二度目は撃沈命令の拒否……言い逃れは出来んぞ」
「想像力の乏しいクソ殿には分からんかもしれんのですが、世の中には『失敗しちゃった☆ テヘッ☆』という事態もあるものですよ?」
「それが許されんのが軍という組織だ!!! 事実、永田町では失敗は一切許さん!!」
そう言いながら中将さんはロドニーさんを見た。その直後眉間にシワを寄せ、訝しげにロドニーさんをみる中将さん。
「……鎧を着ておらんのか?」
「今更気付いたか……」
「なぜ帯剣していない」
「帯剣する必要がないからだ。この鎮守府ではな」
「永田町では常に鎧を着こみ帯剣してピリピリしていたではないか」
「だから、ここではその必要がないと言っている」
「ここのぬるま湯で腑抜け、艦娘としての矜持を忘れたか。永田町に戻ったら鍛え直してやるから覚悟しろ」
「断る。この鎮守府を出ても、あんなつまらんところには戻らん」
「貴様も逆らうか!?」
「私が忠誠を誓ったのは女王陛下だ! 貴公ではないッ!!」
中将さんとロドニーさんの舌戦が続く。一つ気付いた。ロドニーさんの口調が、以前の私達に対する口調に近い。あの口調は、ロドニーさん自身が『敵』だと思って、警戒している相手に向けられるようだ。
司令官さんにはバカにされロドニーさんには拒絶され……中将さんは我慢の限界が近いようだ。両手の拳をギュッと握りしめ、体中をわなわなと震えさせながら顔を真っ赤にしていた。
「……ロドニーを手篭めにしたか貴様……ッ!!」
「とんでもございませんー。クソ殿ならいざ知らず、私はロドニーのような立派な艦娘を手篭めにする度量や甲斐性など、持ちあわせてはおりませんなぁー」
そんな爆発寸前の……いやすでに大噴火中だけど……中将さんに対し、司令官さん
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