21. お客さん 〜電〜
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ん。中将を追い返しちゃいましょっか」
「赤城さん……」
「大丈夫。可愛くて頼もしいうちの初期艦は、一航戦とビッグセブンが守ります」
こんなに頼もしい二人に守られている……私の中に少しだけ勇気が湧いた。そして……
――ありがとうイナズマ! 元気でなー!! イナズマー!!!
集積地さん。あともう少しの勇気を私にください。
勇気を振り絞り、その半分の勇気をビッグセブンと一航戦から借りて、あともう少しの勇気を集積地さんとの思い出から譲り受けて、私は震える右手でドアノブを握り、回した。
――俺の名は天龍……そしてこいつは天龍二世……
フフ……コワイカ?
その字面とは裏腹に私に勇気をくれた天龍さんたちのスゴミにも後押しされ、私はドアを開く。
だがその瞬間。
「避けろ電ッ!!!」
司令官さんの叫びが響いた。
「……ッ!!」
私の視界を塞ぐようにロドニーさんが左腕をつきだした。その途端、私の前から飛んできた何かがロドニーさんの左腕に当たり、ガツンという音が鳴った。
「ロドニーさん!?」
「心配はいらん。怪我はない」
そういい、ロドニーさんは自分の左腕をさする。足元を見ると大理石で出来た卓上ライターが転がっていた。普段は来客用のテーブルに置いてある誰も使ってない卓上ライターのようだ。
「ハァー……ハァー……チッ」
私たちの視界の先には、こちらにライターを投げたらしい中将さんの姿があった。
「随分とご挨拶ではないか。中将」
「そいつはあの作戦を失敗させた旗艦だからなぁ……普段から敵艦の撃沈すらためらうヘタレ駆逐には制裁を加えねばならんと常々思っておったが……」
「そんなに失敗させたくないならそもそも任せなければよかっただろう」
「黙れロドニー!! ここの連中に毒されたかッ!!」
『フンッ』と鼻を鳴らした後、ロドニーさんは静かに壁にもたれかかった。赤城さんは私のそばから離れない。司令官さんはホッと胸をなでおろした後、いつもの死んだ魚の眼差しで中将のことをぼんやりと見つめている。
「まあいい。役者も揃ったし、始めるとしようか……」
「一体何を始めるのでしょうか? どうかこの愚劣たる私めにこれから麗しの中将閣下が何をなさるおつもりなのか、ご教示いただきたく……」
「作戦失敗の責任追及と貴様らの罪状確認だッ!!!」
予想以上に中将はおかんむりのご様子だ。これだけ怒鳴り散らされれば、私は怖くて身体の震えが……なかった。
なぜ私の身体が恐怖を感じていないのか……それはきっと、今の私が中将さんを恐れてないからだ。一航戦とビッグセブンの二人が私の事を見守ってくれているという安心感。そして非常時には真剣な態度になる司令官がいつもの死
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