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テキはトモダチ
21. お客さん 〜電〜
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られても困る。キリッ」

 仲がいい訳でもなさそうだけど……この二人の息ぴったりな感じは一体何なんだろう……?

 こんな意味のわからない二人の仲の良さ? に感心していたら、タイミング良く司令官さんの声で館内放送が鳴った。

『あー……あー……電、赤城、ロドニー、執務室まで来てちょうだい』

 ついに中将と会う時間になってしまった……なんだか憂鬱だ……。赤城さんとロドニーさんを見た。なぜか二人とも目が一気に鋭くなっていた。

「……アカギ」
「……はい」
「守るぞ」
「無論です」

 二人の食事も終わったところで、私達は執務室に向かうことにする。お昼ごはんの後片付けの時、私たちを見る……いや正確には、赤城さんとロドニーさんの二人が食べ終わったあとのお櫃の残骸を見る鳳翔さんの額に冷や汗が垂れていたのだが、それに対し二人は……

「半分以上はロドニーさんです。キリッ」
「その分アカギはボーキを食い散らかしている。キリッ」

 というよくわからない意地の張り合いをしていた。

 私を真ん中にして、3人並んで執務室に続く廊下を歩いた。今回、中将はあの作戦の旗艦を務めた私の同席も命令してきたらしい。だから、今回私は中将の来訪に同席しなければならない。

 正直言うと怖い……集積地さんを助けたことに後悔なんてしてないけれど……また大声で怒鳴られ、『ヘタレ駆逐がっ』と言われるかと思うと……。

 ついに執務室の前に到着する。

「とんとん。司令官さん、電なのです」
『遅いぞ!!』

 途端に身体がビクッと反応する。この声は中将さんだ。……ダメだ……この声を聞くと身体が震えてくる……集積地さんたちを助けたことは後悔してないけれど……

 その時、私の右肩をぽんと叩く感触があった。

「イナズマ」

 私の右側にいるロドニーさんが、私の肩に手を置いてくれたみたいだった。ロドニーさんは、服越しからでもぬくもりが伝わってくるほど温かい左手を私の右肩に置き、しっかりと力強くギュッと握ってくれた。

「怖いかもしれんが勇気を振り絞れ。お前なら大丈夫だ。仲間の集積地を助ける為に、お前はこのビッグセブンを打ち負かしたんだから」
「……」
「心配はいらん。仮に中将が暴れようとも、ビッグセブンと一航戦がお前を守る」

 ハッとしてロドニーさんを見た。やっぱり以前と比べてちょっと背がちっちゃいけれど……それでも、目の鋭さは以前と変わらない。私と初対面の時……周囲を威圧していた時のロドニーさんのままだった。だけど私はこの時、はじめてロドニーさんのことを『怖い』ではなく『頼もしい』と感じた。

 今度は赤城さんを見た。赤城さんはロドニーさんと違って、いつもの優しい微笑みを私に向けていた。

「……さあ電さ
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