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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第二十一話 ホテルアグスタ 1
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させている事を突き止めた。現在再現実験に成功。実戦配備に期待がかかる」

アスカがそれを淡々と読み上げる。

なんかツマンネー事になったな、とその顔が言っている。

「コレってアスカさんが見つけたヤツじゃないですか!」

エリオが声を上げる。

「ど、どういう事でしょうか?」

キャロは、今読み上げられた記事に混乱しているようだ。

「……横取りされた、って事でしょうね」

(AMF対策が暗礁に乗り上げているからって、本局がそんな事をするの!?)

あからさまの不正に、ティアナは理不尽を感じる前に呆れてしまった。

「そんな!ヒドイよ!」

スバルも声を荒げる。

「確かに……これはちょっとヒドイね」

なのは、はやて、フェイトも顔を曇らす。

隊長達は、アスカが苦労して対AMFを編み出したのを実際に目にしている。

それがこんな形になるなんて思ってもみなかった事だ。

「これは抗議すべき…「放っておけよ」え?」

シャーリーがいきり立っている所に、当の本人が待てと抑えた。

「何で!悔しくないの!?」

まさか、アスカ自身がそんな事を言うとは思わなかったシャーリーが詰め寄る。

「言ったモン勝ちだよ。今更、こっちがドウコウ言った所で相手にされないさ」

そう言って頭をかく。

「悔しいっちゃ悔しいけどさ。今は任務の方が大事だよ」

アスカはそう言って、この話を締めくくろうとした。だが、

「…………」

シャーリーは唇を噛んだまま何も言わず、そして席に戻ろうともしなかった。

「シャーリー?」

アスカが声をかけた時だった。

「う…うぅ…」

シャーリーはポロポロと涙を流した。

「ちょっ!何で泣く!」

一瞬にしてパニックになるアスカ。

思いっきりオロオロとして周囲を見回すが、みんなも何でシャーリーが泣き出したのかが分からなくて戸惑うばかりだ。

「だって…私が、本局に…データを提出しちゃたから…アスカが痛い思いして…頑張って見つけた対AMFだったのに……アスカの実績を…台無しにしちゃって…」

俯いて涙を流すシャーリー。その後は、ごめんなさい、ごめんなさいと謝り続けた。

困り果てたアスカが周りを見たが、司令室にいた全員がどう声を掛けていいのか分からずにいる。

(そんなに苦しむなよな、シャーリー)

アスカはポン、とシャーリーの頭に手を乗せて、優しく撫でた。

「…ありがとな、シャーリー。そんなに怒ってくれて。でも、シャーリーが悪いんじゃないんだから泣くなよ」

その優しい言葉に、シャーリーはビックリして顔を上げる。

「で、でも私が!」

「ちゃんと仕事をしただけだよ、シャーリーは。
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