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ep.026 襲撃者 その2
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生、仁の両足を貫通する。
「?っ.......!!」
怯む声こそ一瞬だったが、仁は今痛覚が研ぎ澄まされているため、氷柱から足を抜くどころか僅かに動くだけでも絶叫しそうな激痛が体を突き抜ける。
「しくじった.......。」
スタスタと死神が歩み寄って来る。
まるで捕獲した獲物に迫る肉食動物のようにその目は血に飢えていた。
そして死神は目の前に立った。
「簡単には殺らねぇさ....お前からはたっぷりと情報を引き出す必要性があるからな。」
この状況にしては意外に敵は冷静だった。
仁はてっきりこのまま殺されると思ったからだ。
しかし、交渉の余地があるなら説得可能かも知れない。
「誰からの指示だ?」
「............は?」
仁には質問の意図が全く理解できていない。
無論だ。
仁が死体を見つけたのは偶然で、USBを持ち去ったことも偶然なのだから。
「なんだ?......恍けてやがんのか?」
仁は首を横に振る。
しかし、そこで死神は吹っ切れてしまった。
「もういいよ。 あの事件のことも知っていやがったんだしな....ますます、お前を殺さなきゃならなくなった。」
死神が手を振り下ろすと、空中の氷柱が仁に勢い良く飛んでくる。
当たれば即死するだろう。
「クソッ。」
『佳奈.....俺......ここで死ぬのかな.....短くて、つまらない人生だったなぁ.....。』
「よく頑張ったね。」
何者かの声と同時に、仁は誰かに抱えられた。
その者は、常人とは比べ物にならない瞬間移動に近い速度でその氷柱を回避した。
「誰だお前!!」
死神が激昂する。
相当な取り乱しようだった。
それに対し、その者は余裕を見せていた。
「俺は"ただの雇われ屋"だよ。 今回は上司から仕事のお願いをされてね。 彼を助けることになってる。」
「ふざけんじゃねぇぞ!!」
空中に氷柱が5本。
仁と青年を取り囲むように展開する。
すべてが同時に発射される。
「アンタは........。」
仁は張り詰めていた緊張感がようやく解けて、その代わりに極端な疲労を感じて眠るように気を失った。
「話は落ち着ける場所でする。 そのためにもここは逃げ延びさせてもらうよ。」
氷柱が炸裂したが、手応えがなかった。
恐らく逃走したんだろう。
「無駄だ。 アイツが携帯を持ってる限りGPSが.......。」
死神はレーダーを確認したが点滅するその点は一歩も動いていなかった。
まさかと思い氷柱が命中したポイントを見ると、そこには仁の携帯が落ち
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