日常編2
聖十大魔導の称号
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も大半の挑戦者は途中で命を落とし、帰ってきていないから知りようがないのだけど・・・
「これくらいなら、やってもいいか」
「オオッ!!まことか!?」
驚くジュラさんの目を見てうなずくレオン。それを見て俺は気付いてしまった。レオンがジュラさんの手のひらで踊らされていることに。
最初に絶対に断られるお願いをして、相手に断ったという罪悪感を感じさせる。そこで少しハードルを下げた頼み事をすれば、自然と相手は「それくらいなら・・・」と引き受けてしまうはずだ。人間の心理を利用した、どこかの営業さんのような攻め方だな。
「ありがとう、恩に着る」
「いや、別に」
恐らくジュラさんの狙い通りになっていることに気付いていないレオン。ここで俺が言うのもありだけど、それは彼に申し訳ないから黙っておくか。
「面白そうだね!!」
「ラウたちも手伝うよ!!」
そして巧みな戦術で騙されたのは彼だけではなかった。シェリアと相棒の猫もすでに手中に落ちており、レオンの手伝いに行くことを決意していた。
「いや、シェリアとラウルには残っていてほしい」
「「え!?」」
しかし、そんな二人の鼻先を折るようなことをいったのは黒いお髭の聖十大魔導。彼女たちはなぜそんなことを言われたのかわからないみたいなので、その理由をジュラさんが説明してくれる。
「これはなにぶん危険な依頼だ。できることならレオンの足を引っ張るようなことをしてほしくない」
その言葉を聞いた瞬間、シェリアの顔が強ばった。魔法学校で常に優秀な成績を修めていた彼女からしたら、それは屈辱以外の何物でもなかったのかもしれない。
「わ・・・わかりました」
でも、シェリアも大人だ。悔しさを噛み殺し、彼の言葉に従う。それを見ていた俺とウェンディは、なんて声をかけたらいいのかわからなかった。
「ジュラさん、移動とかでラウルは連れていきたいんだけど・・・」
「そうか?それくらいなら・・・」
一瞬シェリアに目線をくれた後、声のかけ方がわからず話を反らした氷の神。彼の提案により、100年クエストにはレオンとラウルの二人で行くことになった。
「色々と準備もしなければならんだろうし、出発の日付はお主に任せる。ただ、一応ワシらには出発するときに報告をしてくれ」
「了解シマウマ」
軍隊の敬礼ポーズをし、ジュラさんを送り出したレオン。彼はその姿が見えなくなったのを確認した後、シェリアの肩に手を置く。
「気にしないで。ジュラさんにも悪気があったわけじゃないだろうし」
落ち込んでいるのが丸分かりだった彼女を気遣って声をかける。ただ、そこまでフォローができているようには聞こえなかったのが玉に傷かな?
「ううん!!全然気にしてないよ」
無理に作った笑顔
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