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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十七話 体調が悪くても無理をしなくちゃいけない時もあるのです。
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アレックス・キャゼルヌ少将は眼を見張った。珍しい光景を目にして好奇心がうずいたのと、厄介事を持ち込まれたことに対する迷惑さとが半々彼の心の中を占めていた。それでも好奇心がわずかな重心で勝ち、彼はクリスティーネ・フォン・エルク・ウィトゲンシュティン中将をソファに横たえるのを手伝った。
「で、ヤン。お前さん、いったいいつから一夫多妻制に転向したのかね?それもこんな女性陣をお相手するとはな。」
「先輩、冗談を言っている場合ではありませんよ。階級章を見ればこちらの方は中将閣下です。こちらの女性は私は存じ上げていないのですが――。」
「私は知っていますわ。」
女性士官の穏やかな声が男性二人の鼓膜を震わせた。
「エル・ファシル。そこで閣下にお目にかかったことがあります。ついでに申し上げれば、サンドウィッチをお持ちした時に、コーヒーではなく紅茶が欲しいと言われもしました。」
「エル・ファシル?サンドウィッチ?・・・・あぁ!!」
ヤン・ウェンリーは声を上げた。
「お前さん、どうもこういう方面に関しては記憶がずぼらだな。」
「よしてくださいよ、あの時分私はまだ中尉だったのですし、あの時は必死だったのですから。そういうところまでは覚えていません。・・・あぁ、すまない。」
彼は慌てた様に女性士官に謝った。
「あのな、俺が言いたいのはな、そういう事ではないんだ。こちらのお嬢さんはあのグリーンヒル参謀長閣下の娘さんだぞ。」
思わず「ええっ!?」という驚愕の叫びがヤンの口から飛び出した。その様子を微笑をもって見つめた後、顔を引き締めた彼女は敬礼して、
「フレデリカ・グリーンヒルと申します。あの時は本当にお世話になりましたわ。父もいつか閣下にお目にかかってお礼を述べたいと申しております。」
「いや、お礼なんて、そんな・・・・。私は、その、あの時はただ必死で、そんなお礼を言われるような事はしていないし・・・・。」
ヤンのしどろもどろぶりに、キャゼルヌ少将とグリーンヒル中尉が同時にふきだした。
「う・・・。」
ウィトゲンシュティン中将が苦しそうに体を動かしたので、3人の関心はそちらに移った。グリーンヒル中尉はキャゼルヌにブランデー等がないかどうかを聞き、テキパキと処置をしていった。ウィトゲンシュティン中将が顔に赤みを取り戻して起き上がったのはそれから5分後である。
「ご迷惑をおかけして、申し訳なかったわ。」
彼女は心底申し訳なさそうにしていた。
「あなたは――。」
「おいおい、野暮なことを聞くんじゃない。正規艦隊司令官閣下の顔ぐらい覚えておけ。」
キャゼルヌ少将はヤンを制すと、
「ウィトゲンシュティン中将閣下、ご気分はいかがですか?」
ウィトゲンシュティン中将が不快な眠りから覚めた人のように顔をしかめ、ついで自分がどこにいるのかを認識した顔にな
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