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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十七話 体調が悪くても無理をしなくちゃいけない時もあるのです。
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鋒として最も危険な死地に送り込もうとしているかのようである。だが、ヒルデスハイム伯爵は前者の解釈を取った。なにしろ功績と罪が相殺される機会を与えられたのだ。
「キルヒアイス。」
諸将が去り、ブリュンヒルト艦橋に戻ったラインハルトは赤毛の相棒を見上げた。
「そろそろおまえにも昇進して艦隊司令官として俺を補佐してほしい時期に来たな。俺としてはいつまでもお前に俺の側にいてほしいが、いざ俺の代わりに大軍を指揮する必要性に迫られた際に大佐ではどうしようもないからな。」
キルヒアイスは何も言わなかったが、万感のこもった瞳でラインハルトを見た。
「例のアルテミスの首飾りを無効化する手段、お前に任せてもいいか?」
「はい。既に準備をしております。」
「流石だな。」
ラインハルトは満足そうにうなずいた。
「で、どれほどの兵力が欲しいか?」
「工作艦10数隻と高速艦艇を500隻、そして揚陸部隊10万人とその移送用高速輸送艦艇。これで充分です。」
フッ、とラインハルトは微笑を浮かべた。
「なるほどな、派手に破ってこそ武勲が輝くというものだ。いいだろう、頼んだぞ、キルヒアイス。一時的にお前を代将としてその特務艦隊の艦隊指揮官に任命する。」


その数時間後――。

カストロプ星系本星前面宙域に展開するリッテンハイム侯爵側の大艦隊に対し、帝国軍別働部隊は艦首を並列に並べて一斉に襲い掛かった。ヒルデスハイム伯爵率いる部隊は先鋒として必死の働きをなし、早くも敵軍に風穴を開けることに成功していた。これは先鋒の力というよりも第二陣や左右両翼の支援砲撃がなした業である。イルーナはヒルデスハイム伯爵を支援する方針を麾下正規艦隊指揮官に伝えていたのだった。
「やれやれ、今回はお膳立て役か。」
ティアナは一人艦橋で愚痴ったが、フィオーナともどもヒルデスハイム伯爵を支援するように言われているので突出はしなかった。
「私たちは支援砲撃に徹するわ。そして、ヒルデスハイム伯爵の部隊が崩れかかりそうであれば、すかさず突進して敵に一撃を与える。この2点を基本方針として戦闘を継続するのよ。」
ティアナは部下たちにそう言い、テキパキと部署の編成を指示すると、自身は艦橋に立って戦いの様相を見守っていた。本音を言えばティアナは前線に出たくてたまらなかった。前世における彼女の第三空挺師団はビッテンフェルト並の破壊力とミッターマイヤー並の機動力を有する精鋭部隊として常に戦法を任されてきたのである。この世界においてもティアナは自部隊をそのように訓練し、新生・第三空挺師団とひそかに銘をうてるほどに訓練してきていたのである。
「ま、いいわ。フィオともどもここでヒルデスハイム伯爵の戦いぶりを、拝見するとしましょうか。」
と、彼女は心の中でつぶやいた。

ヒルデスハイム伯爵ら貴族連中
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