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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十七話 体調が悪くても無理をしなくちゃいけない時もあるのです。
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なかったことを知って慄然とする思いとがまじりあっていた。
キルヒアイスは感傷に浸る暇もなく、ラインハルトの副官として次なる会戦に向けて実務的な準備を進めなくてはならなかった。別働部隊の兵站監とのやり取りや負傷兵らを収容している医療監とのやり取り、各艦隊司令官とのやり取り等「窓口」はキルヒアイスら補佐役を通して行われるのである。

 艦隊の準備が整った後、ラインハルトはミュッケンベルガー元帥に出撃許可を乞い、それが受理されたのち10万余隻をカストロプ星系に向けて進発せしめた。カストロプ星系にはリッテンハイム侯爵からの増援を含めた約8万隻の大艦隊が集結し、ラインハルト軍を正面から待ち受けているのだという。この方面の総指揮官は前財務尚書のカストロプ公爵とその子息のマクシミリアン、そして先の艦隊戦で敗戦したブリュッヘル伯爵が宇宙艦隊の指揮を執っている。増援艦隊の指揮官はバイエルン候エーバルトである。28歳の若き指揮官は高位の青年貴族であったが、その気概と勢いは武人そのものであり、増援艦隊を自分の手足のごとく統率していた。いわば実働部隊の事実上の総指揮官が彼である。
 そのbPをここに送り込んできたのは、敵がこのカストロプ星系の戦いを「天王山」とみているからであった。ここの戦いに負ければリッテンハイム側はカストロプ星系全域から撤退せざるを得ず、そうすると同時に2方面軍をリッテンハイム星系で迎撃しなくてはならなくなり、戦局は一気に不利になるのである。
 そう言った事情はラインハルトたちもよく理解していた。ラインハルトは戦に先立って主だった将官を召集して会議を開いたのである。
「カストロプ本星には『アルテミスの首飾り』なるものが存在すると聞く。おそらく敵はそれを頼みにこちらをそれに引きずり込もうとしているのだろう。こちらは艦隊を3分し、一方は正面艦隊を引き付け、他方は側面から気を見計らって突入する。正面艦隊はウェリントン伯に委ね、側面艦隊の左翼をヴァンクラフト大将が、右翼部隊を直接私が指揮を執る。」
ラインハルトは会戦に先立って、諸将にそう説明した。
「敵は8万隻とはいえ、烏合の衆だ。だが、油断はするな。増援艦隊を率いるバイエルン候エーバルトはあのミュッケンベルガーでさえ一目置くほどの人物だと聞く。各々定められた部署に置いて精励せよ。」
このような通達をすること自体ラインハルトにしては稀有である。本来の彼は如何なる敵であろうとたちどころに粉砕して見せる旨全軍に下達するのであったが。それだけ彼もこの戦いを「天王山」としてとらえているのではないかと、列席するイルーナ以下の転生者組は思っていた。
ラインハルトは続いてヒルデスハイム伯爵ら先に暴走した貴族連中に先鋒を任せる旨、通達した。好意的に見れば先の敗戦の屈辱を返す機会を与えたと見えるし、悪意としてみれば先
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