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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十七話 体調が悪くても無理をしなくちゃいけない時もあるのです。
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った。
「だいぶ良くなったわ。ありがとう。」
「閣下、失礼ですが、医務室に行かれた方がよろしいのではないでしょうか?」
フレデリカが心配そうに言う。
「いいえ、大丈夫。ただ・・・気分が悪くて・・・・。なんでああいうことになったのかよくわからないの。」
不意にヤンは彼女が第一戦略課のドアの近くにいたのを思い出していた。
「第一戦略課から出てこられたようですが、シャロン少将と何か話をしておられたのですか?」
ウィトゲンシュティン中将が言葉を詰まらせたが、彼女は力なくうなずいた。
「そうよ。彼女と話をしていたの。」
3人はウィトゲンシュティン中将の顔を静かに見守っていた。シャロンとはキャゼルヌもヤンも旧知の中である。その彼女と話をしたウィトゲンシュティン中将が体調を悪化させるほどなのだから、何か相当なことがあったに違いない。
ウィトゲンシュティン中将は、一つ溜息を吐いて、
「信じてもらえないかもしれないけれど・・・・。」
そう前置きして話し出したのだった。


 ウィトゲンシュティン中将が話を終えても、聞き手の3人は一言も感想を発しなかった。


「私が一身上の私情で彼女の下を訪れたのは適切な行為でなかったことは承知しているわ。それとは別に・・・・信じてもらえそうにないけれど、でも、私は彼女が異常だと思ったわ。特にあの殺気・・・私が彼女に対して邪魔立てすれば彼女はためらいなく私を殺すだろうと思ってしまったの。それほど怖かったわ・・・・。」
ブルッと総身を震わせたウィトゲンシュティン中将が顔を両手で覆った。フレデリカが背中をさすってやり「もう一杯ブランデーをお飲みになりますか?」と尋ねる横で、ヤンとキャゼルヌは顔を見合わせていた。
「どうも困ったことになったな。」
「彼女に対しては特に含むところはないのですがね、前々から何か違和感を感じていたのですが、その原因の一端が今回の事でわかったような気がしました。」
「それだけでは不十分だろ。で、どうする?彼女を糾弾するか?上官に対しての侮辱罪は成立するだろう?」
ヤンは可もなく不可もなしというように息を吐き出したっきり何も言わなかった。
「・・・・いいえ、それは駄目。」
ウィトゲンシュティン中将が顔を3人に向けていた。
「彼女を罰する必要性はないわ。彼女は危険だと思うけれど、今のところ自由惑星同盟にとっては害をなす人物ではないのだから。彼女を罰するのであれば・・・・。」
ウィトゲンシュティン中将が起き上がろうとするのをフレデリカが介助した。それに対して「ありがとう。」と、礼を述べてから、
「必要にして十分な証拠を集めなくてはならない。でも、今はその時ではないと思うの。」
「監視のみ、という事ですか、そうですね、表面上はそれくらいしかできないでしょう。もっとも、私とし
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