第二章
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そしてだ。こうも言うのだった。
「この法案は恐ろしい結果をもたらします」
「素人が死刑を行うんですよ」
「何時か惨たらしい事件を起こします」
「あってはならないことです」
こうだ。法案が決まってもまだ言うのだった。世論の紛糾は続いた。
だがそれでもだ。死刑は行われる。法務大臣はある死刑囚の死刑執行にサインをした。
この死刑囚の名前を寺尾三郎という。幼女を何人も強姦し虐殺した男だ。
その殺し方があまりにも惨たらしくだ。世を騒がせもした。それぞればらばらにして内臓を引きずり出して道に捨てた。そのおぞましい殺人鬼が捕まり世論は沸騰した。
裁判では当然の如く死刑となった。そして法相がサインをした結果だ。
この寺尾はその陵辱し惨殺した幼女達の遺族に死刑を執行されることになった。幼女の両親や兄弟達はだ。まず集って話をした。
「どうして殺します?」
「あの娘と同じ目に遭わせてやりましょう」
「そうですね。うちの娘はあいつに惨たらしく殺されたんだ」
「あの娘の苦しみをあいつにも味あわせてやりましょう」
「是非そうしてやりましょう」
こうした話をだ。憎しみに満ちた顔でしていった。その結果だ。
彼等は処刑の部屋に連行された寺尾、醜く肥満した大男の彼を囲んだ。それぞれの手には鋭利な刃物がある。
ナイフに斧、鋸といったものがそれぞれの手にある。そうしたものを手にしてだ。
寺尾を完全に囲みそれからだ。一斉に襲い掛かりだ。
手足を切り裂き切り落とした。そうしてだった。
腹を割いて内臓を引きずり出す。そうしながらだ。
「うちの娘は御前にこうされたんだ!」
「御前みたいな奴に殺されたんだ!」
「あの娘と同じ苦しみを味あわせてやる!」
「死ね!死ね!」
「地獄に落ちろ!」
苦悶の声をあげる寺尾に群がりだ。口々に叫ぶ。そしてだった。
目をくり抜き舌を引き摺り出し鼻と耳をそぎ落とし。その最後には。
断末魔の彼の首をゆっくりと鋸で切り落とした。それからだ。
死体は全て道に捨てて晒した。死刑囚の遺体の扱いも被害者の遺族に委任されたのだ。その寺尾の無残な骸の姿はマスコミには報道されなかった。
だがネットでは違っていた。モザイクはかけられていたがクリックすれば出て来るその無残な骸を見てだ。ネットユーザー達は次々に喝采の声をあげた。
「当然だろこんな奴!」
「殺された女の子の恨みを知れ!」
「そのまま地獄に落ちろ!」
「ざまあみろ!」
こうした書き込みが相次いだ。殆どの者がこの処刑に賛成だった。そしてだ。
今度は菅悠作、ストーカー殺人をした中年男だ。ストーカー相手の女子大生の部屋にあがりこみナイフで刺して殺した。その際死
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