第3章 リーザス陥落
第93話 サウスの戦い 終結
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そういって、笑いかけたのだ。
心の内を判ってくれた事に、何処となく恥ずかしかったのと、うれしかったのが織り交ざったメナドは、顔を赤く染めながらはにかんだ。
「う、うんっ! ボクもまだまだ頑張るから!」
「ああ、その意気だ」
ここまで長かった。漸く、報われる。……助ける事が出来る。
軍人として、王都を守る事が出来なかった事は、精神に深く傷を負わせてしまっていた。……そして、間違いなく目の前のユーリに救ってもらった。
出会えたあの日の事を、メナドは感謝をしていた。……出会ってくれた事に対して。
「め、メナドっ!? おなかすいてない?? ごはん、持ってきたよー」
「わ? かなみちゃん。大丈夫?? そんな沢山もって」
「だ、だいじょーぶだいじょーぶ。私、忍者だから!」
そんな中、ずいっ と割って入るのはかなみ。
両手に持たれている皿には沢山の料理が載せられていた。……どうやら、腹をすかせたのはランスだけじゃない様子だ。
「……まぁ、腹が減っては戦は出来んからな。……志津香。足」
「………ふんっ」
慣れたモノだけど、やっぱり痛いものは痛い。
そんな光景を、酒を片手にニヤニヤとみているロゼだったり、ミリだったり……。
乗り遅れてしまったランや、現時点でアイテムの整理をしていて、この場にいないトマト、情報収集
をしている真知子。等々、彼女たち全員がそろっていたら、本当にさらににぎやかになった事だろう。
「それにしても、あの娘は 何かちょろそうだな? ちょっと歯車が狂ってりゃ、ランスの方に靡いてもおかしくなかったんじゃないか?」
「おっ、さすがミリ。そのとーりよ。現に、あの子を狙ってるらしい、軍の男も言ってたんだけど、ちょいっと女の子扱いしたら、直ぐにメロメロになっちゃった事があったんだってさぁー。もう数日遅かったら、やばかったかもねー。そいつ、結構評判悪いらしいから」
「ふーん。やっぱりか。それにしても、アイツは天然ジゴロだけど、結果として女の子助けてんだから、大したもんだ」
「茨の道だと思うけどね~♪」
笑いながら盛大に酒を煽るミリとロゼ。
メナドをこれまで見てきたミリの感想はズバリ的中していた。……何処かで道を誤れば、メナドの運命は変わってしまっていたかもしれないのだから。
そして、その後は、これからについての作戦会議となった。
……主だったヘルマン側の主力は、例外を除いてほぼ壊滅状態。
唯一、サウスより逃げ出したミネバの動向は気になるが、無策で 何より単騎掛けでツッコんでくるような無謀な事はしないだろうとも思えるから。あのミネバの性格上、それはあり得る話であり、満場一致。一応警戒は強めておく事となった。
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