第3章 リーザス陥落
第93話 サウスの戦い 終結
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を、と言う事だから当然かもしれない。
そして、もう1つ。
「全く、本当にバカよ」
志津香が盛大にため息を吐きながら、それでも手当をする手を止めてない。
「いて、いててっ、ちょっときついぞ、志津香。加減してくれ」
「我慢しなさい。……クルック―や、セルさんの治療魔法を拒否したんだから、これくらいは」
「それは仕方ないだろ? あそこで捕まってた子達だって多かった。あの火の手で重傷者も出てしまった。五体満足のオレに手をかけるくらいなら、そっちを優先した方が良いに決まってるんだから」
「その判断に対して、バカ! って言ったんじゃないわよ。あんな炎の中で、延々と剣だけで消火? しようとしてた事が、よ」
そう、ランスがせっせと 助けていた間(女の子限定)、ユーリは これまたせっせと炎を斬り割いていたのだ。……火は斬れたりはしないんだが、それでも剣圧で吹き飛ばしたり、両断して道を作ったり……と、幾らか仕様があった。そんな無茶な、と思うのだが、不可能ではなく、リックや清十郎も行っていた手段だ。
「ああ。だが、それも仕方ないだろ? 水や氷系の魔法はオレは使えないんだから。それに手を止めてたら、ちょっと拙かったんだよ」
「……判ってる」
志津香は、別の火傷跡に軟膏を塗り、包帯を巻きながら、ユーリの顔を視ないようにしつつ、言った。
「判ってるわよ。……ゆぅが無理しなきゃ、死んでたかもしれない子達がいたかもしれない、って事くらい。あの炎だって、大規模だったんだから。……それに、嫌って程聞いたんだから。ゆぅに助けてもらった、って事を」
「あぁ……。ランス辺りがうるさかったがな。『オレ様を差し置いてーー』とか何とか。無茶言うな、……って思ったが、考えるだけ無駄か」
なぜならランスだから、とユーリは苦笑いをしていた。
志津香も、この時は軽口では乗らない。何度目かわからないけれど、何度でも言う。
「ゆぅは聞かない、って思うけど、それでも何度でも言う。……無茶、しないで。……1人で、無茶は」
「……ああ。そうだったな。善処するよ。皆には、……志津香には背中を任せているんだからな」
俯かせた志津香を見て、ユーリは表情を和らげた。
介抱をしているから、自然と俯き気味になっているのだが、それでも 志津香の心情を現している、と思えたから。
そんな時、かなみが到着。
「ユーリさん! 元気の薬、持ってきました」
「ああ、ありがとな。かなみも。今回はかなみのおかげで、被害が最小限に食い止める事が出来た」
「いえ、そんな……、私は 当たり前の事をしただけです」
かなみは照れつつ、元気の薬をユーリに手渡す。やや、焦り気味に、せっせせっせと包帯を巻く志津香をちらっと見て、ちょっとばかり対抗
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