第3章 リーザス陥落
第93話 サウスの戦い 終結
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《最強のくのいち》と名高い少女。
数多くの使い手たちと相見えたが、彼女達と天秤に比べても遅れを取らない印象だった。
だが――これは、先ほどまでの戦いでの印象であり、今は全く違う。
ミネバが取り出したクリスタルを見た瞬間から――ユーリは変わった。
「……それが何なのか、貴様は判っているのか」
地の底から響くかの様な、重くのしかかる声。
前にいたランスでさえ、そのあまりの重さに思わず罵詈雑言を中断してしまう程だった。
ミネバ自身も、それは重々感じていた様だったが、絶対的優位である事を疑ってなかった為、強気の姿勢を崩してはいない。
「――ふん。決まっているだろう? これは、便利で、上等なアイテムさ。手に入れるのに、ちょいと苦労した分、十分すぎる程働いてくれる」
「……それを得る為に、お前はどれだけ、手をかけたんだ……?」
「さぁて、ねぇ。ああ、あたしは手をかけちゃあいないよ。コレの強さをさらに強力にするには、カラーを犯す必要があるんでね。おまけに、取る時は呪いをかけてくるんだよ? あたし自身がする訳ないじゃないか」
朗らかに笑うミネバ。
「…………」
ユーリは、眼を瞑った。
目の前に浮かぶのは……、以前 助けたカラーたちの姿だった。
『人間は嫌いですが、ユーリさんは別です! 本当にありがとうございました!』
『私たち、みーんなユーリさんの事、信頼してますよ!』
『ヒトミちゃんと一緒に、遊びに来てくださいねー!』
沢山、話をした。
世界中から狙われている種族。そんな中でも、懸命に生きている彼女達。
『ユーリ。……本当にありがとう』
『ありがとうございます』
イージスやサクラを筆頭に、瞼に浮かぶカラーの少女たちの姿。間違いなく、生きている少女たちの姿。
それが――。
「こらぁ! ユーリ!! 立ったまま寝るな! とっととやるぞ!! サボるな、寝るんなら終わってからにしろ!!」
ランスは、眼を瞑っているユーリを見て、激を飛ばした。
眼前に迫る無数の敵を前に、流石のランスも早口になる。
「さぁ、殺りな!! 嬲り殺しだ!」
ミネバが指示した途端に、一斉に飛びかかってきた。 ミネバと同じ、二刀の斧を構え、薄い青の輝きを放ちながら。
だが、その凶悪な斧がランスに、届く事は無かった。
突如、ランスを横切り、飛来した真空の刃が、前列のクリスタル兵士達の首の部分を飛ばしていたからだ。
「なっ!?」
突然の事に、驚きを隠せられないミネバ。
「……そんな姿になってしまって。今、呪縛を解いてやる」
放った飛ぶ斬撃。すでにユーリは鞘に剣を納めている
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