第3章 リーザス陥落
第93話 サウスの戦い 終結
[2/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
り、たとえ指示を出したとしても、ランスが素直に聞くとも思わないので、同じだろう。
ミネバの出方をうかがいつつ距離を詰める。ランスが後数m程まで近づいたその時だ。
「さぁて……」
ミネバが懐に手をいれたのがはっきりと見えた。その瞬間、嫌な予感が脳裏に走った。
「待て! ランス!!」
「ぬ?」
ランスは、ユーリの言葉を聞いて、一瞬だけ速度を落とした。待てと言って素直に聞く男ではないが、それでも 踏み込みが一瞬でも遅れ、それが功を成す。
「ちっ、勘のいい。だが、これまでだよ」
懐から取り出したのは、布包みだ。ミネバはそれを取り出すと思い切り地面に向かって叩きつける。
紐で縛られていた布包みは、叩きつけられた衝撃で破れ、中身が盛大に周囲に散らばった。鮮やかなアクアブルーの欠片が散らばり、宙に舞った。
「っ……、それは……」
ユーリは、その欠片が何なのか、直ぐに理解する事が出来た。
「出てきた! クリスタル兵器!」
ミネバの言葉に従うかの様に、散らばった欠片たちは徐々に形を成してゆく。
そして、数秒後にはミネバを囲う様に無数の影が現れた。
「なんじゃこりゃ!??」
ランスも驚きを隠せられない。
先ほどまでミネバ1人だったと言うのに、あっという間に増えてしまったのだから。
「ククク、まぁ 坊やが知らなくても無理ないさ。これは カラーって言う種族の額についていたクリスタル。こいつはね……、上等な魔法道具なのさ。仕込み次第でこんな事も出来るのさ……」
形を成した、カラーのクリスタル。
それは、ミネバそのもの。……ミネバの姿を象ったのだ。それだけではなく、ミネバの意のままに動く事が出来る様だ。
「この一体一体があたしと同等の戦闘力を誇る。……1人だけじゃ、ちと分が悪いみたいだからね。さぁ、なぶり殺しにしてやるよ!」
無数の兵士へと変えたクリスタル達は、一斉に武器を構えた。
「この、卑怯者がーーーっっ!!」
いつものユーリであれば、『それランスが言う事か?』と思うし、口に出す事だろう。確かに、ミネバ同等の戦闘力を持っているとなれば、十分すぎる程脅威だ。
外道ではあるが、ミネバと言う女の力は、間違いなく本物だと言える。長い歴史の中でも、女の身でありながら、これほどまでの強さを秘めた者はいなかっただろう。
――人類最強の女。
戦いの最中に、そう感じ取る事が出来た。
長く度を続けているユーリ。様々な国で色んな使い手たちを見てきた。戦国時代の真っただ中、男も女も、子供であっても関係なく、猛者たちが集う国JAPAN。
《軍神》と呼ばれる少女。
《戦姫》とも呼ばれる少女。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ