先恋〜風邪〜
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??」
「…あ、れ?何だろ…フフッ、…あ、そうだ、どうしたの…?学校…は?」
「沙奈さんの様子を見に来たんですよ!」
「そっか…ありがと、私は大丈夫だから、戻って、ね?」
沙奈の精一杯の言葉を聞き、陸太は首を横に振った。
「学校には戻りません、取り敢えず、何か食べやすいもの、作りますね、」
そう言い、沙奈をベットに運ぶと、陸太は、
「…失礼ですが…その、れ、冷蔵庫を開けても宜しいですか?」
「…あ、うん、あれ?陸太君、そう言えば…どうやって入って来たの?」
「玄関の鍵、開けっ放しだったので、焦っちゃいましたよ…何かあったんじゃないかと…」
「え、そうだったの…?ゴメン、」
沙奈がクスリと微笑む。
「あ、そうだ、水…よりも、何か…スポーツドリンクみたいな物の方がいいですよね、買ってきます、」
「…あ、れ、冷蔵庫にある…から、」
陸太は、そう言われ、そっと冷蔵庫を開く。そして、其処にあったペットボトルのスポーツドリンクをコップに入れ、沙奈に渡す。
「…大丈夫、ですか?」
「…うん、」
それを受け取った沙奈の手は、震えていた。コップの中のスポーツドリンクが溢れそうな程に揺れている。
「…貸して下さい、」
陸太は、沙奈からコップを受け取ると、そっと沙奈の口にそれを含ませた。いきなりたくさん入れないよう、ゆっくりと気を付けつつ、沙奈に其れを飲ませる。
「…ごめ…、ありがと、」
「いえ、では、少し待ってて下さいね、」
陸太はそう言い、そっと沙奈から離れる。
「…や…っ」
そう言い、沙奈は陸太の服を引いた。
「…え?」
陸太が振り返る。
「…ごめん…な、何でもない…、」
沙奈は急いで手を離した。
「…あ、いえ、その…」
陸太は、涙ぐんだ沙奈の顔を見て、
「僕こそ、すみません、僕に風邪、うつしちゃっても良いですから…」
そう言い、そっと、沙奈の唇に自分の唇を重ねる。
「だ、駄目…っ」
沙奈は陸太から離れようとするも、陸太はそれを許さない。
「…り…く…たく…」
沙奈は成されるがまま、体の力を抜き、全てを陸太に任せた。陸太は何度か沙奈にキスをした後、
「僕はここに居ますから、大丈夫です、一人じゃありませんから、怖がらないで、」
そう言い、沙奈の頭を撫でると、立ち上がった。沙奈の熱は一層、高くなった______。
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