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テキはトモダチ
20. 初期艦は電 〜電〜
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……

…………

………………

『い、電です。どうかよろしくお願いします』
『……』
『え、えーと……司令官さん、なのです?』
『……』
『……?』
『……』
『電がどうかしたのです?』
『……思ったより、小さいのね』
『ひ、ひどいのです……』

………………

…………

……

 ……なんだかふわふわする。遠くの方から、ザザザという波を切る音が聞こえてる。

「ん……」
「………マ……が…………」

 ものすごく遠いところから、誰かが私を読んでいるような……

 少しだけ身体の感覚が戻った。でも目は開けられない。手を少し動かしてみる。私の顔のすぐそばに誰かの顔がある。

「しゅうせき……ち……さ……?」
「……………………わ……は………ー……じ…………お……の…………は…………」

 何を言っているのかさっぱり聞こえない。少しだけ動かせるようになった手で、私の顔のすぐそばの顔をぺたぺたと触る。髪は長くないようだ。

「や……! わ………………ぺ…………………!!!」

 誰かが私に何か言っているけれど、まるで気にならない。また眠くなってきた……

「お…………ず…… わ………………ご…………せ……」

 まただ。誰かが私に声をかけているけれど……とても遠いところから話しかけてくるからよく聞き取れない……でもとても心地いい声だ……眠い……

………………

…………

……

……

…………

………………

『電、帰投したのです……』
『ほい。初めての出撃おつかれさん。敵を撃沈しなかったんだって?』
『は、はいなのです……』
『なんで?』
『え、えーと……』
『うん』
『できれば、戦いたくないのです……』
『……』
『沈んだ敵も、出来れば助けたいのです……』
『……ぶふっ』
『司令官さん?』
『あ、いやごめん。おつかれさん。お風呂入っといで』
『はいなのです。電、入渠するのです』

………………

…………

……

 突然、身体がぽかぽか温かくなってきた。とても心地いい感触に全身を包まれ、ぷかぷかと空中を漂うような温かいふわふわ感が私の身体を包み込んだ。

「ぽかぽかして気持ちいいのです〜……」

 この心地よさに全身を委ねたい。寝返りを打った。途端に、ある問題に気付いた。

「……なんだか苦しいのです」

 息が出来ない。口を開けるけど、息を吸おうとすると不思議と身体が『すっちゃダメ!!』と私の意思を拒絶する。試しに息を吐いてみる。これは問題ない。でも吸えない。

「もががががが……吸えないのです……息がががが……」

 頭がハッキリしてきた。目が開く。私が今どこにいるの
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