プロローグ"ウィンドロード"
"ウィンドロード"1
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。なぜなら・・・。
「あのプジョーは、アオバちゃんのご両親の縁を結んだものなんだ。」
テツユキ君の隣でケンタ君が話し始めた。
彼はテツユキくんの後輩だ。4つ年下のはずだ。
ケン「峠輪業っていって、アオバ自転車になる前のお店、そこで売っていた自転車なんだ。そしてその自
転車を選んだのが高校生だったワカバさん・・・アオバちゃんのお母さん。でも病弱でそれまで自転車に乗ったことがなくてね。店を継ぐ前の工一さんが教えていったんだよ。」
私は半ば放心して聞いていた。
あの青い・・・真っ青な空のような色の自転車。小柄でおしゃれで、古くて貴重なだけではない。
一組の愛を実らせた、家族の象徴でもあったのだ。それを壊してしまった・・・。
ケン「直せない事はないけど、それでミナヨ姐ちゃんが許されるかどうかは・・・さて、どうしてくれるの?」
昔は流されやすい性格で、私などに散々振り回されていたケンタ君がどうしてくれる、という言葉を吐いた。
強くなったんだね。それに引き換え、私は落ちるところまで落ちてしまったのだろうか・・・。
テツ「とりあえず、しばらくは自重だな。出前はつばさやドクターが手伝うそうだ。」
ケン「そういうこと。ボクはもう戻らないと。」
二人とも開店前の374庵から去っていった。
テツユキ君はアメリカのヒカリアン組織の局長。ケンタ君はJHR西日本の運転研修センターに通い始め、運転手を目指している。
二人とも近頃は店に来る回数が減っている。そろそろ私に愛想を尽かし始めていたのか・・・。
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